昨日は、パートタイム・有期雇用労働法の「目的」について確認しました。

 今日から2日間は、パートタイム・有期雇用労働法の条文に従い「事業主が講ずる措置」を順に確認していきます。

 

事業主が講ずる措置等~労働条件に関する文書の交付等~ 

  実際には「パートタイム・有期雇用労働法」第6条に明記されています。

 

義務

短時間・有期雇用労働者を雇い入れたときは、速やかに「特定事項」を文書の交付その他厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

 

 解説します。

 まず、パートタイム労働者を雇い入れた場合は、契約期間、有期労働契約を更新する場合の基準(有期労働契約で雇用する場合。)、就業の退職に関する事項について、書面の交付により明示しなければなりません

 

 そして、さらにパートタイム労働法による「特定事項」もまた書面の交付により明示しなければなりません

 「特定事項」は、『①昇給の有無』『②退職手当の有無』『③賞与の有無』『④相談窓口』の4つのことです。

 

 なお、上記労働基準法の内容及びパートタイム労働法「特定事項」以外の内容については、文書の交付等により明示するように努めるものとされています。

 

事業主が講ずる措置等~就業規則の作成の手続~  

 実際には「パートタイム・有期雇用労働法」第7条に明記されています。

 

努力規定

短時間労働者(または有期雇用労働者)に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとするときは、当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする。

 

事業主が講ずる措置等~不合理な待遇の禁止~  

 実際には「パートタイム・有期雇用労働法」第8条に明記されています。

 

禁止事項

 その雇用する短時間・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならないとされています。

 

紐解いていきます

①何について 

雇用する短時間・有期雇用労働者の「基本給」「賞与」「その他の待遇」  

②何との間において 

通常の労働者の待遇

③何に考慮するか 

当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるもの

④何に関して、①と②の間に不合理と認められる相違を設けてはならないか

以下の「ア」「イ」 

 職務の内容(当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度)  

 職務の内容及び配置の変更の範囲

 

事業主が講ずる措置等~通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止~  

 実際には「パートタイム・有期雇用労働法」第9条に明記されています。

 

禁止事項

 職務の内容が通常の労働者と同一の短時間・有期雇用労働者であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるものについては、短時間・有期雇用労働者であることを理由として、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、差別的取扱いをしてはならない。

 

事業主が講ずる措置等~賃金~  

 実際には「パートタイム・有期雇用労働法」第10条に明記されています。

 

努力規定

 通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用する短時間・有期雇用労働者(上記、通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者を除く)の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項を勘案し、その賃金(通勤手当その他の厚生労働省令で定めるものを除く。)を決定するように努めるものとする。

 

事業主が講ずる措置等~教育訓練~  

 まずは、実際に「パートタイム・有期雇用労働法」第11条第1項に明記されている内容を確認します。

 

義務

 通常の労働者に対して実施する教育訓練であって、当該通常の労働者が従事する職務の遂行に必要な能力を付与するためのものについては、職務内容同一短時間・有期雇用労働者(上記、通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者を除く。)が既に当該職務に必要な能力を有している場合その他の厚生労働省令で定める場合を除き、職務内容同一短時間・有期雇用労働者に対しても、これを実施しなければならない

 

 続いて「パートタイム・有期雇用労働法」第11条第2項に明記されている内容を確認します。

努力規定

 通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用する短時間・有期雇用労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力及び経験その他の就業の実態に関する事項に応じ、当該短時間・有期雇用労働者に対して教育訓練を実施するように努めるものとする。

 

事業主が講ずる措置等~福利厚生施設~  

 実際には「パートタイム・有期雇用労働法」第12条に明記されています。

 

義務

 通常の労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設であって、健康の保持又は業務の円滑な遂行に資するものとして厚生労働省令で定めるものについては、その雇用する短時間・有期雇用労働者に対しても、利用の機会を与えなければならない

 

本日は以上となります。明日も引き続き、「パートタイム・有期雇用労働法」における事業主が講ずる措置についてお伝えします。

 

 

今日のポイント

通常の労働者との均衡を考慮し、短時間労働者等への不合理な待遇を禁止していこう!