昨日に引き続き、厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」の中から主な内容を紹介していきます。

  今日は「テレワークの労働時間管理」についての内容です。

 

「労働時間制度」と「テレワーク」

 以前のブログでご紹介しました、さまざまな「みなし労働時間制」や「変形労働時間制」を導入した場合に、「テレワーク」をどのように位置づけるかという内容です。

 

1 「通常の労働時間制度」及び「変形労働時間制」の場合  

  「変形労働時間制」は「1か月単位の変形労働時間制」「1年単位の変形労働時間制」「1週間単位の非定型的変形労働時間制」です。

 あらかじめ就業規則に定めておくことによって、テレワークを行う際に労働者が始業及び終業の時刻を変更することができるようにすることが可能であるとされています。

 

2 「フレックスタイム制」の場合  

  「フレックスタイム制」については、以前のブログでご確認ください。

 労働者にとって仕事と生活の調和を図ることが可能となるといったメリットがあるものであり、フレックスタイム制を活用することによって、労働者の仕事と生活の調和に最大限資することが可能となるとされています。

 なお、フレックスタイム制が適用される場合には、使用者は労働者の労働時間については、適切に把握するよう留意する必要があります。

 

3  「事業場外みなし労働時間制」  

 「事業場外みなし労働制」については、以前のブログでご確認ください。

   テレワークにおいて一定程度自由な働き方をする労働者にとって、柔軟にテレワークを行うことが可能となるとされています。

 

 具体的には、次の①②をいずれも満たす場合には、制度を適用することができるとされています。

 

① 情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと

以下の場合については、いずれも①を満たすと認められ、情報通信機器を労働者が所持していることのみをもって、制度が適用されないことはない。

・ 勤務時間中に、労働者が自分の意思で通信回線自体を切断することができる場合

・勤務時間中は通信回線自体の切断はできず、使用者の指示は情報通信機器を用いて行われるが、労働者が情報通信機器から自分の意思で離れることができ、応答のタイミングを労働者が判断することができる場合

・会社支給の携帯電話等を所持していても、その応答を行うか否か、又は折り返しのタイミングについて労働者において判断できる場合

 

② 随時使用者の具体的な指示に基づいて業務を行っていないこと

以下の場合については②を満たすと認められる。

・使用者の指示が、業務の目的、目標、期限等の基本的事項にとどまり、1日のスケジュール(作業内容とそれを行う時間等)をあらかじめ決めるなど作業量や作業の時期、方法等を具体的に特定するものではない場合

 

  なお、事業場外みなし労働時間制が適用される場合には、必要に応じて、実態に合ったみなし時間となっているか労使で確認し、使用者はその結果に応じて業務量等を見直すことに留意する必要があります。

 

4 「裁量労働制」及び「高度プロフェッショナル制度」の場合  

 「裁量労働制」は「専門業務型裁量労働制」「企画業務型裁量労働制」です。  

 「高度プロフェッショナル制度」については、以前のブログでご確認ください。

 テレワークの実施を認めていくことにより、労働する場所についても労働者の自由な選択に委ねていくことが考えられるとされています。

 

 なお、裁量労働制が適用される場合には、必要に応じて、業務量が過大又は期限の設定が不適切で労働者から時間配分の決定に関する裁量が事実上失われていないか、みなし時間と当該業務の遂行に必要とされる時間とに乖離がないか等について労使で確認し、使用者はその結果に応じて業務量等を見直すことに留意する必要があります。

 

テレワークにおける労働時間管理の考え方

・テレワークの場合における労働時間の管理については、テレワークが本来のオフィス以外の場所で行われるため使用者による現認ができないなど、労働時間の把握に工夫が必要となると考えられるとされています。

・一方で、労働時間管理についても情報通信技術を活用して行うこととする等によって、労務管理を円滑に行うことも可能となるとされています。

使用者がテレワークの場合における労働時間の管理方法をあらかじめ明確にしておくことにより、労働者が安心してテレワークを行うことができるようにするとともに、使用者にとっても労務管理や業務管理を的確に行うことができるようにすることが望ましいとされています。

 

テレワークにおける労働時間の把握

 テレワークにおける労働時間の把握については、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(以下「適正把握ガイドライン」という。)も踏まえた使用者の対応として、次の①または②によることが考えられます。

 

①客観的な記録による把握

・適正把握ガイドラインにおいては、使用者が労働時間を把握する原則的な方法として、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として、始業及び終業の時刻を確認すること等が挙げられれるとされています。

・情報通信機器やサテライトオフィスを使用しており、その記録が労働者の始業及び終業の時刻を反映している場合には、客観性を確保しつつ、労務管理を簡便に行う方法として、以下の「ア」または「イ」の方法が考えられる。

 労働者がテレワークに使用する情報通信機器の使用時間の記録等により、労働時間を把握すること

 使用者が労働者の入退場の記録を把握することができるサテライトオフィスにおいてテレワークを行う場合には、サテライトオフィスへの入退場の記録等により労働時間を把握すること

 

②労働者の自己申告による把握

・テレワークにおいて、情報通信機器を使用していたとしても、その使用時間の記録が労働者の始業及び終業の時刻を反映できないような場合も考えられるとされています。

・このような場合に、労働者の自己申告により労働時間を把握することが考えられるが、その場合、使用者は以下の「ア」~「ウ」のような措置等を講ずる必要があるとされています。

 労働者に対して労働時間の実態を記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うことや、実際に労働時間を管理する者に対して、自己申告制の適正な運用等について十分な説明を行うこと

 労働者からの自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、パソコンの使用状況など客観的な事実と、自己申告された始業・終業時刻との間に著しい乖離があることを把握した場合には、所要の労働時間の補正をすること

  自己申告できる時間外労働の時間数に上限を設けるなど、労働者による労働時間の適正な申告を阻害する措置を講じてはならないこと

・労働者の自己申告により労働時間を簡便に把握する方法としては、例えば1日の終業時に、始業時刻及び終業時刻をメール等にて報告させるといった方法を用いることが考えられるとされています。

 

 テレワークの時間管理はとても難しいかもしれませんが、時代の流れとともに、便利なソフトウェアもたくさん存在しますので、ぜひ今こそ「テレワーク」を推進していきましょう!

  明日は「テレワーク特有の労働時間の取り扱い」です。

 

 

今日のポイント

それぞれの「労働時間制度」に応じたテレワーク導入を意識し、労働時間の把握を確実な方法で行っていこう!