昨日は「勤務間インターバル制度の導入」についての内容でした。今日は、勤務間インターバル制度を導入した際の「助成金」についてです。

  雇用保険には、さまざまな助成金があることを以前ご紹介しましたが、勤務間インターバル制度導入に関するものは「働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)」となります。

  早速、内容を確認していきましょう。

 

支給対象となる事業主

 支給対象となる事業主は、次の(1)~(5)のいずれにも該当する「中小企業事業主」です。  

 

(1)労働者災害補償保険の適用事業主であること

(2)次のアからウのいずれかに該当する事業場を有する事業主であること

 勤務間インターバルを導入していない事業場

 既に休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入している事業場であって、対象となる労働者が当該事業場に所属する労働者の半数以下である事業場

 既に休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場

(3)全ての対象事業場において、交付申請時点及び支給申請時点で、36協定が締結・届出されていること。  

(4)全ての対象事業場において、原則として、過去2年間に月45時間を超える時間外労働の実態があること。

(5)全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること。

 

支給対象となる取組

次の①~⑨のいずれか1つ以上実施することが必要とされています。

労務管理担当者に対する研修  

労働者に対する研修、周知・啓発  

外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング

就業規則・労使協定等の作成・変更  

人材確保に向けた取組  

労務管理用ソフトウェアの導入・更新  

労務管理用機器の導入・更新

デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新  

労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

※研修には、業務研修も含みます。  

※原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。

 

成果目標の設定

上記「支給対象となる取組」は、以下の「成果目標」の達成を目指して実施することが必要です。

 

成果目標

 事業主が事業実施計画において指定したすべての事業場において、休息時間数が「9時間以上11時間未満」または「11時間以上」の勤務間インターバルを導入し、定着を図ること

 

 具体的には、事業主が事業実施計画において指定した各事業場において、以下の「1」~「3」のいずれかに取り組むこととされています。

また以下の「プラスα」の取組を「成果目標」に加えることができます

 

1 新規導入 上記「支給対象となる事業主」(2)ア

 勤務間インターバルを導入していない事業場において、事業場に所属する労働者の半数を超える労働者を対象とする、休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルに関する規定を労働協約または就業規則に定めること

 

2 適用範囲の拡大 上記「支給対象となる事業主」(2)イ

 既に休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入している事業場であって、対象となる労働者が当該事業場に所属する労働者の半数以下であるものについて、対象となる労働者の範囲を拡大し、当該事業場に所属する労働者の半数を超える労働者を対象とすることを労働協約または就業規則に規定すること

 

3 時間延長 上記「支給対象となる事業主」(2)ウ

 既に休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場において、当該事業場に所属する労働者の半数を超える労働者を対象として、当該休息時間数を2時間以上延長して休息時間数を9時間以上とすることを労働協約または就業規則に規定すること

 

プラスα 

 上記の成果目標に加えて、指定する労働者の時間当たりの「賃金額を3%以上」または「5%以上」で賃金引き上げを行うことを成果目標に加えることができます。

 

支給額

 上記「成果目標」を達成した場合に、原則、以下の「1」「2」の内容に応じて、支給対象となる取組の実施に要した経費の一部を支給します。

また、指定する労働者の時間当たりの「賃金額を3%以上」または「5%以上」で賃金引き上げを行うことを成果目標に加えることを設定した場合は、「プラスα」の内容が支給されます。

 なお、以下に示す「休息時間」は、事業実施計画で指定した事業場に導入する勤務間インターバルの休息時間数のうち、最も短いものを指します。

 

1 新規導入 上記「成果目標」ア 

①休息時間数が「9時間以上~11時間未満」の補助率⇒4分の3(1企業あたりの上限額:80万円)   

②休息時間数が「11時間以上 」の補助率⇒4分の3(1企業あたりの上限額:100万円) 

 ただし、常時使用する労働者数が30名以下かつ、上記「支給対象となる取組」で「6」~「9」を実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合の補助率は「5分の4」となります。

 

2 適用範囲の拡大・時間延長 上記「成果目標」イ・ウ

①休息時間数が「9時間以上~11時間未満」の補助率⇒4分の3(1企業あたりの上限額:40万円)   

②休息時間数が「11時間以上 」の補助率⇒4分の3(1企業あたりの上限額:50万円)

 ただし、常時使用する労働者数が30名以下かつ、上記「支給対象となる取組」で「6」~「9」を実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合の補助率は「5分の4」となります。

 

プラスα 賃金引き上げの達成時の加算額 上記「成果目標」プラスα

①3%以上引き上げ 「1~3人:15万円」「4~6人:30万円」「7~10人:50万円」「11~30人:1人あたり5万円(上限150万円)」

②5%以上引き上げ 「1~3人:24万円」「4~6人:48万円」「7~10人:80万円」「11~30人:1人あたり8万円(上限240万円)」

 

 以上3日間にわたり「勤務間インターバル制度」の内容をお伝えしました。

明日からは「労働時間と副業」についてお伝えします。

 

 

今日のポイント

人材戦略の1つとして、助成金活用などの方法により「勤務間インターバル制度」を推進しよう!