昨日は「専門業務型裁量労働制」をご紹介しました。

  今日は、みなし労働時間制の最後となります「企画業務型裁量労働制」をご紹介します。

 

「企画業務型裁量労働制」とは?

 「事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であって、当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務」に従事する労働者が、「労使委員会」の決議・届出により、対象労働者本人の同意を得た上で、あらかじめ定めた時間働いたとみなす制度です。

 それでは、紐解いて、確認していきましょう!

 

企画業務型裁量労働制」の対象となる業務

 以下の①~③の内容をご確認ください。

 

①対象となる業務

事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務

②なぜ制度を導入する必要があるのか?

業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要がある。

③制度対象となる要件

業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務

 

企画業務型裁量労働制」の対象となる事業所

 上記「対象業務が存在する事業場」です。具体的には、以下のような事業場です。  

(1) 本社・本店である事業場  

(2) (1)のほか、次の①または②のいずれかに掲げる事業場

当該事業場の属する企業等に係る事業の運営に大きな影響を及ぼす決定が行なわれる事業場

本社・本店である事業場の具体的な指示を受けることなく独自に、当該事業場に係る事業の運営に大きな影響を及ぼす事業計画や営業計画の決定を行っている支社・支店等である事業場

※ 個別の製造等の作業や当該作業に係る工程管理のみを行っている事業場や本社・本店又は支社・支店等である事業場の具体的な指示を受けて、個別の営業活動のみを行っている事業場は、企画業務型裁量労働制を導入することはできません。

 

「労使委員会」の概要

 上記対象業務を「企画業務型裁量労働制」として取り入れるには、まずは『労使委員会』の決議・届出が必要です。

 昨日のブログで紹介しました「専門業務型裁量労働制」の『労使協定』とは異なりますので、ご注意ください。

 

(1)「労使委員会」とは?  

⇒賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会

(2) 決議数   

⇒委員の五分の四以上の多数による議決により次に掲げる事項に関する決議

(3) 委員構成  

⇒委員の半数については、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者に厚生労働省令で定めるところにより任期を定めて指名されていること

) 議事録   

⇒議事録が作成され、かつ、保存されるとともに、当該事業場の労働者に対する周知が図られていること。 

 

~制度導入要件1~ 労使委員会の決議

 以下の①~⑧の事項を労使委員会で決議する(労使委員の5分の4以上の多数による議決)ものとされています。

【決議を必要とする事項】

対象となる業務の具体的な範囲(「経営状態・経営環境等について調査及び分析を行い、経営に関する計画を策定する業務」など)

対象労働者の具体的な範囲(「大学の学部を卒業して5年以上の職務経験、主任(職能資格○級)以上の労働者」など)

労働したものとみなす時間

使用者が対象となる労働者の勤務状況に応じて実施する健康及び福祉を確保するための措置の具体的内容(「代償休日又は特別な休暇を付与すること」等)

苦情の処理のため措置の具体的内容(「対象となる労働者からの苦情の申出の窓口及び担当者、取扱う苦情の範囲」など)

本制度の適用について労働者本人の同意を得なければならないこと及び不同意の労働者に対し不利益取扱いをしてはならないこと

決議の有効期間(3年以内とすることが望ましいとされています)

企画業務型裁量労働制の実施状況に係る記録を保存すること(決議の有効期間中及びその満了後3年間)

 

~制度導入要件2~ 「労使委員会の決議」の届出

 労使委員会で決議したことを、所定様式により所轄労働基準監督署長へ届け出る必要があります。届出をして初めて効力が発生します。

 なお、制度導入後は、決議が行われた日から起算して6か月以内ごとに1回、所定様式により所轄労働基準監督署長へ定期報告(対象となる労働者の労働時間の状況・対象となる労働者の健康及び福祉を確保するための措置の実施状況)を行うことが必要となります。

 

対象労働者本人の同意が必要

 昨日のブログでお伝えしました「専門業務型裁量労働制」と異なり、対象労働者全員に対し、当然に適用されるわけではありません

 同意をした労働者のみが、制度の適用を受けることとなります。

 そして、不同意の労働者に対しては、使用者は解雇その他不利益な取扱いをしてはなりません。

 

 以上「企画業務型裁量労働制」でした。「専門業務型裁量労働制」よりも格段に制度導入のハードルが高くなることを知っておきましょう!

 明日は「高度プロフェッショナル制度」でした。

 

 

今日のポイント

企画業務型裁量労働制」には労使委員会の決議・届出』『労働者本人の同意が必要!