昨日は、トライアル雇用助成助成金「障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース」をご紹介しました。

今日は、キャリアアップ助成金「障害者正社員化コース」をご紹介します。

キャリアアップ助成金「障害者正社員化コース」とは?

 雇用保険助成金「キャリアアップ助成金」の一つです。

 障害者の雇用を促進するとともに職場定着を図るために、「有期雇用労働者を正規雇用労働者(多様な正社員を含む)または無期雇用労働者に転換すること」または「無期雇用労働者を正規雇用労働者に転換すること」のいずれかに該当する措置を継続的に講じた場合に助成します。

 

支給対象となる事業主等の要件

 まず助成金の根幹たる「キャリアアップ助成金」の要件に事業主等が該当するかどうかを確認し、次に「障害者正社員コース」の要件に事業主等が該当するかどうかを確認していきましょう。

 

キャリアアップ助成金の事業主の要件 

 雇用保険適用事業所の事業主であり、次の(1)~(4)の要件のすべてに該当することが必要です。

(1)雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いている事業主であること

(2)雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に対し、キャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けた事業主であること

※ただし「キャリアアップ計画書」の内容(実施するコース)に講じる措置として記載していないにもかかわらず、取組実施日の前日までに「キャリアアップ計画書(変更届)」を提出していない事業主ではないこと

(3)該当するコースの措置に係る対象労働者に対する労働条件、勤務状況及び賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明らかにすることができる事業主であること。

(4)キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主であること

 

 ここで補足ですが、「キャリアアップ管理者」とは、有期雇用労働者等のキャリアアップに取り組む者として必要な知識および経験を有していると認められる者をいいます。

 また「キャリアアップ計画」とは、有期雇用労働者などのキャリアアップに向けた取り組みを計画的に進めるため、今後のおおまかな取り組みイメージ(対象者、目標、期間、目標を達成するために事業主が行う取り組み)をあらかじめ記載するものです。

 

障害者正社員コースの事業主の要件

次の(1)~(11)のすべての要件に該当する者です。

(1)雇用する有期雇用労働者を正規雇用労働者若しくは無期雇用労働者に転換又は無期雇用労働者を正規雇用労働者に転換した事業主であること

(2)対象労働者を、支給対象期の第1期の場合は転換後、当該支給対象期の初日から6か月以上、第2期の場合は当該支給対象期の初日から6か月以上の期間継続して雇用し、当該労働者に対して、各支給対象期分の賃金を支給した事業主であること。

(3)転換した日以降の期間について、対象労働者を雇用保険被保険者として適用させている事業主であること。

(4)転換した日以降の期間について、対象労働者を社会保険の適用要件を満たす労働条件で雇用している場合は、社会保険の被保険者として適用させている事業主であること。

(5)多様な正社員に転換する場合、その雇用区分を労働協約または就業規則その他これに準ずるものに規定している事業主であること。 

(6)転換する際に、対象労働者の同意を得ている事業主であること。

(7)転換後6か月間の賃金を、転換前の6か月間の賃金より減額させていない事業主であること。

(8)転換した日の前日から起算して6か月前の日から1年を経過する日までの間に、雇用保険被保険者を解雇等事業主の都合により離職させた事業主以外の者であること(天災などの場合を除く)

(9)転換した日の前日から起算して6か月前の日から1年を経過する日までの間に、雇用保険法第23条第1項に規定する特定受給資格者として同法第13条に規定する受給資格の決定が行われた者の数を、当該事業所における転換日における雇用保険被保険者の数で除した割合が6%を超えている事業主以外であること(特定受給資格者として当該受給資格の決定が行われたものの数が3人以下である場合を除く)

(10)支給申請時点において、支給の対象となる対象労働者を解雇等事業主都合で離職させた事業主以外であること。

(11)転換した日以降において、対象労働者について最低賃金法第7条の最低賃金の減額の特例の許可を受けている事業主以外であること。

 

対象となる労働者

次の(1)~(11)のすべての要件に該当する者です。 

 

(1)申請事業主に雇用される労働者であること。

(2)転換を行った日の時点で、次の①~⑥いずれかに該当する労働者であること。

①身体障害者

②知的障害者

③精神障害者

④発達障害者

⑤難病患者

⑥脳の機能的損傷に基づく精神障害である高次脳機能障害であると診断された者

(3)就労継続支援A型事業における利用者でないこと

※「就労継続支援A型事業」については、後日ブログでご紹介します。

(4)申請事業主に雇用される期間が通算して6か月以上の有期雇用労働者または無期雇用労働者であること

(5)「正規雇用労働者に転換される場合、正規雇用労働者として雇用されることを約して雇い入れられた有期雇用労働者または無期雇用労働者」または「無期雇用労働者に転換される場合、無期雇用労働者として雇用されることを約して雇い入れられた有期雇用労働者」ではないこと  

(6)親会社、子会社、関連会社及び関係会社などにおいて、除外対象となる雇用形態による雇用・委任関係のあった者・役員などではないこと

(7)転換を行った適用事業所の事業主又は取締役の3親等以内の親族以外の者であること。

(8)無期雇用労働者に転換される場合、通算契約期間が5年を超え、労働契約法第18条第1項の規定により期間の定めのない労働契約の締結の申込みをする権利を有する者でないこと。

(9)支給申請日において、正規雇用労働者については有期雇用労働者又は無期雇用労働者、無期雇用労働者については有期雇用労働者への転換が予定されていない者であること。

(10)支給申請日において、転換後の雇用区分の状態が継続し、離職していない者であること(本人都合離職などは除く)  

(11)転換後の雇用形態に定年制が適用される場合、転換日から定年までの期間が1年以上ある者であること。

 

支給額 

 支給対象者1人あたり、下記の額を支給します。

 支給対象期間は「1年(6ヵ月ごとに第1期・第2期)」です。

 ただし、この支給額が、各々の支給対象期における労働に対する賃金の額を超える場合には、当該賃金の総額を上限額とします。

 

重度身体障害者、重度知的障害者および精神障害者

①有期雇用から正規雇用への転換 

120万円(中小企業以外は90万円) 

②有期雇用から無期雇用への転換 

60万円(中小企業以外は45万円)  

③無期雇用から正規雇用への転換 

60万円(中小企業以外は45万円)

 

重度以外の身体障害者、重度以外の知的障害者、発達障害者、難病患者、高次脳機能障害と診断された者

①有期雇用から正規雇用への転換 

90万円(中小企業以外は67.5万円) 

②有期雇用から無期雇用への転換 

45万円(中小企業以外は33万円)  

③無期雇用から正規雇用への転換 

45万円(中小企業以外は33万円)

 

 なお、第1期の支給申請は、転換した対象労働者に対し、正規雇用労働者、無期雇用労働者としての賃金を、最初の6か月分支給した日の翌日から起算して2か月以内に申請、第2期の支給申請は、第1期支給対象期の次の6ヶ月分の賃金を支給した日の翌日から起算して2ヶ月以内に申請することとされています。

 

以上、キャリアアップ助成金「障害者正社員化コース」についてのご紹介でした。

詳細については、厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(障害者正社員化コース)」をご覧ください。

 

 

今日のポイント

助成金を活用し、障害者の方の正社員化を推進していこう!