「合理的配慮指針」に明記されている合理的配慮の手続

 昨日は、雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会の確保等を図るための措置に関して、「合理的配慮」の『基本的な考え方』をご紹介しましたが、今日は『合理的配慮の手続』です。

 

 「合理的配慮指針」の中では、「1 募集及び採用時における合理的配慮の提供について」「2 採用後における合理的配慮の提供について」の2つが示されています。

 

 なお、以下の内容については、障害者の意向を確認することが困難な場合、就労支援機関の職員等に当該障害者を補佐することを求めても差し支えないこととされています。

 

1 募集及び採用時における合理的配慮の提供について

以下の①~③の手順で行うものとされています。

 

障害者からの合理的配慮の申出

 募集及び採用時における合理的配慮が必要な障害者は、事業主に対して、募集及び採用に当たって支障となっている事情及びその改善のために希望する措置の内容を申し出ることとされています。

※その際、障害者が希望する措置の内容を具体的に申し出ることが困難な場合は、支障となっている事情を明らかにすることで足りることとされています。

※なお、合理的配慮に係る措置の内容によっては準備に一定の時間がかかる場合があることから、障害者には、面接日等までの間に時間的余裕をもって事業主に申し出ることが求められることとされています。

 

②合理的配慮に係る措置の内容に関する話合い

 事業主は、障害者からの合理的配慮に関する事業主への申出を受けた場合であって、募集及び採用に当たって支障となっている事情が確認された場合、合理的配慮としてどのような措置を講ずるかについて当該障害者と話合いを行うこととされています。

※なお、障害者が希望する措置の内容を具体的に申し出ることが困難な場合は、事業主は実施可能な措置を示し、当該障害者と話合いを行うこととされています。

 

③合理的配慮の確定

 合理的配慮の提供義務を負う事業主は、障害者との話合いを踏まえ、その意向を十分に尊重しつつ、具体的にどのような措置を講ずるかを検討し、講ずることとした措置の内容又は当該障害者から申出があった具体的な措置が過重な負担に当たると判断した場合には、当該措置を実施できないことを当該障害者に伝えることとされています。

※その検討及び実施に際して、過重な負担にならない範囲で、募集及び採用に当たって支障となっている事情等を改善する合理的配慮に係る措置が複数あるとき、事業主が、障害者との話合いの下、その意向を十分に尊重した上で、より提供しやすい措置を講ずることは差し支えないこととされています。

※また、障害者が希望する合理的配慮に係る措置が過重な負担であったとき、事業主は、当該障害者との話合いの下、その意向を十分に尊重した上で、過重な負担にならない範囲で、合理的配慮に係る措置を講ずることとされています。

※講ずることとした措置の内容等を障害者に伝える際、当該障害者からの求めに応じて、当該措置を講ずることとした理由又は当該措置を実施できない理由を説明することとされています。

 

2 採用後における合理的配慮の提供について

①事業主の職場において支障となっている事情の有無等の確認

 労働者が障害者であることを雇入れ時までに把握している場合には、事業主は、雇入れ時までに当該障害者に対して職場において支障となっている事情の有無を確認することとされています。

※労働者が障害者であることを雇入れ時までに把握できなかった場合については、障害者であることを把握した際に、事業主は、当該障害者に対し、遅滞なく、職場において支障となっている事情の有無を確認することとされています。

※労働者が雇入れ時に障害者でなかった場合については、障害者となったことを把握した際に、事業主は、当該障害者に対し、遅滞なく、職場において支障となっている事情の有無を確認することとされています。

※さらに、障害の状態や職場の状況が変化することもあるため、事業主は、必要に応じて定期的に職場において支障となっている事情の有無を確認することとされています。

※なお、障害者は、事業主からの確認を待たず、当該事業主に対して自ら職場において支障となっている事情を申し出ることが可能であること。事業主は、職場において支障となっている事情があれば、その改善のために障害者が希望する措置の内容を確認すること。その際、障害者が希望する措置の内容を具体的に申し出ることが困難な場合は、支障となっている事情を明らかにすることで足りること。障害者が自ら合理的配慮の提供を希望することを申し出た場合も同様とするとされています。

 

②合理的配慮に係る措置の内容に関する話合い 

上記「1 募集及び採用時における合理的配慮の提供について」の②と同様です。

 

③合理的配慮の確定 

上記「1 募集及び採用時における合理的配慮の提供について」の③と同様です。

 

自然なコミュニケーションを身に着けよう!

 ここからは私自身の考えです。私が社会福祉士としての立場も踏まえてお伝えします。

 

 私自身もどこまで実践できているかは日々反省すべきことが多いのですが、大事にすべきことは「自分自身が、相手にとって何でも話しやすい雰囲気を持った存在」でいられるかどうかです。

 やはり「普段からピリピリしている」「何か反論されてしまうのでは」と思われているようでは、相手はその要望を伝えにくくなってしまいます。

 

 また、相手が障害者の方だけでなく、誰に対してでも言えることだと思いますが、相手の立場に立って「細やかな気配り」ができるかということです。

 コミュニケーションで行き違いがなければ、「細やかな気配り」を受ければやはり嬉しいものですし、相手も「自分の要望を伝えてみよう!」と思いにつながるはずです。仮にその要望を実現することが難しかったとしても、相手に伝わる思いというものはあると考えます。

 

 「合理的配慮指針」にある『合理的配慮の手続』の内容は当然遵守しなければならないものですが、まずは相手の立場に立ったコミュニケーションを意識しましょう!

 

 

今日のポイント

「何でも話しやすい雰囲気」と「細やかな気配り」で、合理的配慮の手続を進めていこう!