「障害者雇用促進法」に明記されている『雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会の確保等を図るための措置』
昨日までは「障害者差別指針」に関する内容でした。
そして今日から3日間は「合理的配慮指針」の内容を確認していきます。
まずは、障害者雇用促進法第36条の2・第36条の3・第36条の4を確認しましょう!
●障害者雇用促進法第36条の2・第36条の3・第36条の4
(雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会の確保等を図るための措置)
第三十六条の二 事業主は、労働者の募集及び採用について、障害者と障害者でない者との均等な機会の確保の支障となつている事情を改善するため、労働者の募集及び採用に当たり障害者からの申出により当該障害者の障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならない。ただし、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。
第三十六条の三 事業主は、障害者である労働者について、障害者でない労働者との均等な待遇の確保又は障害者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となつている事情を改善するため、その雇用する障害者である労働者の障害の特性に配慮した職務の円滑な遂行に必要な施設の整備、援助を行う者の配置その他の必要な措置を講じなければならない。ただし、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。
第三十六条の四 事業主は、前二条に規定する措置を講ずるに当たつては、障害者の意向を十分に尊重しなければならない。
2 事業主は、前条に規定する措置に関し、その雇用する障害者である労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
まず、前提として法律上このように明記されていることを確認しておきましょう。
「障害者雇用促進法」に明記されている『合理的配慮指針』
そして、障害者雇用促進法第36条の5を確認します。
●障害者雇用促進法第36条の5
(雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会の確保等に関する指針)
第三十六条の五 厚生労働大臣は、前三条の規定に基づき事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(次項において「均等な機会の確保等に関する指針」という。)を定めるものとする。
「前三条」とは、第36条の2・第36条の3・第36条の4を指しますので、その条文内容に即した「事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」、つまりは「均等な機会の確保等に関する指針(合理的配慮指針)」を厚生労働大臣が定めるというものです。
指針の中で示されている「基本的な考え方」
その「合理的配慮指針」の中では『基本的な考え方」として、以下の①~④が示されています。
基本的な考え方①
合理的配慮は、個々の事情を有する障害者と事業主との相互理解の中で提供されるべき性質のものであること。
基本的な考え方②
合理的配慮の提供は事業主の義務であるが、採用後の合理的配慮について、事業主が必要な注意を払ってもその雇用する労働者が障害者であることを知り得なかった場合には、合理的配慮の提供義務違反を問われないこと。
基本的な考え方③
過重な負担にならない範囲で、職場において支障となっている事情等を改善する合理的配慮に係る措置が複数あるとき、事業主が、障害者との話合いの下、その意向を十分に尊重した上で、より提供しやすい措置を講ずることは差し支えないこと。
また、障害者が希望する合理的配慮に係る措置が過重な負担であるとき、事業主は、当該障害者との話合いの下、その意向を十分に尊重した上で、過重な負担にならない範囲で合理的配慮に係る措置を講ずること。
基本的な考え方④
合理的配慮の提供が円滑になされるようにするという観点を踏まえ、障害者も共に働く一人の労働者であるとの認識の下、事業主や同じ職場で働く者が障害の特性に関する正しい知識の取得や理解を深めることが重要であること。
本日は以上となります。明日は「合理的配慮指針」の『合理的配慮の手続』となります。
明日以降の内容を深めるためにも、4つの「基本的な考え方」はぜひ押さえておきましょう!
【今日のポイント】
合理的配慮は、障害者の方の意向を十分に尊重したものでなければならない。