昨日までは「能力開発推進のポイント」を10日間にわたり、著者の考えを中心にお伝えしました。

 

 今日は「労務上の取り扱い」についてです。「研修・教育訓練」は『労働時間』として取り扱うのか?

 厚生労働省案内「労働時間の考え方:「研修・教育訓練」等の取扱い」の中から主たる内容をご紹介します。

 

原則~研修・教育訓練に関する「労働時間」の取扱い~

 研修・教育訓練について、業務上義務づけられていない自由参加のものであれば、その研修・教育訓練の時間は、労働時間に該当しません

 反対解釈をすれば、研修・教育訓練が業務上義務づけられていれば、労働時間に該当します。

 

 したがって、 研修・教育訓練への不参加について、就業規則で減給処分の対象とされていたり、不参加によって業務を行うことができなかったりするなど、事実上参加を強制されている場合には、研修・教育訓練であっても労働時間に該当します。

 

労働時間に該当しない事例

①終業後の夜間に行うため、弁当の提供はしているものの、参加の強制はせず、また、 参加しないことについて不利益な取扱いもしない勉強会。

②労働者が、会社の設備を無償で使用することの許可をとった上で、自ら申し出て、 一人でまたは先輩社員に依頼し、使用者からの指揮命令を受けることなく勤務時間外 に行う訓練。

③会社が外国人講師を呼んで開催している任意参加の英会話講習。なお、英会話は業務とは関連性がない。

 

労働時間に該当する事例

①使用者が指定する社外研修について、休日に参加するよう指示され、後日レポートの提出も課されるなど、実質的な業務指示で参加する研修。

②自らが担当する業務について、あらかじめ先輩社員がその業務に従事しているところを見学しなければ実際の業務に就くことができないとされている場合の業務見学。

 

会社での「研修・教育訓練」の取扱いについて

 こちらも、厚生労働省案内「労働時間の考え方:「研修・教育訓練」等の取扱い」からの内容です。

●労働時間に該当しないとする場合には、上司がその「研修・教育訓練」を行うよう指示しておらず、かつ、その「研修・教育訓練」を開始する時点において本来業務や本来業務に不可欠な準備・後処理は終了しており、労働者はそれらの業務から離れてよいことについて、あらかじめ労使で確認しておきましょう。

●具体的には、「研修・教育訓練」について、通常の勤務場所とは異なる場所を設けて行うことや、通常勤務でないことが外形的に明確に見分けられる服装により行うことなどを定め、こうした取扱いの実施手続を書面により明確化することが望ましいと考えられます

 

 以上となります。

 研修内容に応じたはっきりとした線引きがあるわけではありませんが、 「研修・教育訓練」が何を目的としているのか?どのような経過で開催しているのか?ということを掘り下げていけば、原則的な内容から「労働時間」として取り扱うかどうかが判断できると思います。

 

 明日からは、雇用保険「人材開発支援助成金」についてです。

 

 

【今日のポイント】

内容に応じて「研修・教育訓練」における組織の中での位置づけを明確にし、『労働時間』か否かを判断しよう!