昨日は「OFF-JTのポイント」についてお伝えしました。
今日は10日間にわたる「能力開発」の最後となります。内容は事業主自身の「能力開発」についてです。
事業主の「能力開発」は『組織志向』だけではなく『時代志向』であること
基本的に「能力開発」というのは、組織のために行うものです。
組織から報酬を得ているのですから『組織志向』でなければなりません。
事業主についてはなおさら『組織志向』でなければならないのですが、私自身が事業主の「能力開発」は『組織志向』とともに『時代志向』でなければならないと思っています。
つまり「今の時代に、さらには未来に、何が求められているのか」ということを、事業主自身が学ぶことが大切だと考えています。
「組織志向」が過ぎれば『不満』ばかりが溜まる
事業主と従業員の大きな違いは、「組織」=「事業主」という関係が基盤にあるかないかということです。
つまり、事業主があまりにも『組織志向』が過ぎると、周りから見れば『自分志向』のようにも映ってしまうことがあるということです。
もちろん、事業主にとっては「組織を守ること」=「従業員を守ること」ということですので、大きな心外かもしれません。
ただし、「従業員」は「事業主」と比較すると「組織」への愛着や帰属意識は低くなります。
なぜなら「組織」=「事業主」という基盤がないからです。
良くも悪くも従業員は「組織」に完全に身を預けているわけではありません。
そもそも「事業主」と「従業員」は立場が違いますので、事業主が「組織志向」が過ぎると、従業員への『不満』ばかりが溜まっていきます。
そのため「能力開発」もまた『組織志向』が過ぎると、従業員への能力の押し付けにつながり、従業員の主体性な「能力開発」が推進できない恐れがあります。
「時代志向」であれば『謙虚さ』が生まれる
繰り返しますが、事業主に必要な能力開発は「今の時代に、さらには未来に、何が求められているのか」ということを、事業主自身が学ぶことが大切だと考えています。
つまり「時代志向」であることが必要です。
「時代志向」であれば、自らの価値観が時代と相違していることに気が付くはずです。
これは年齢を重ねた方だけでなく、若い方にも言えることです。
1年違うだけで、1か月違うだけでも、時代は変わっていきます。
1つの大きなニュースなど起きれば、1日でも時代は変わっていくのです。
時代の変化にアンテナを張り続けていれば、周りにも目が行き渡るようになります。
そして、一人一人の価値観が違うことに気づくと思います。
一人一人の価値観に寄り添うことで謙虚さが生まれ、従業員の主体的な「能力開発」を推進できるようになると思っています。
事業主自身が「能力開発」のトップランナーであること
私自身も実践できているか分かりませんが、人生経験上「慢心」は必ず悪い方向へいくと思っています。
「常に、自分には足りないことがある」という意識を持ち続けなければ、成長が止まってしまうと思っています。
成長が止まってしまえば、良い仕事ができないと思っています。
時には成長が止まってしまい苦しいときもありますが、「成長を続けている人たち」を見ると力が戻ってきます。
組織にも同じことが言えると思います。
事業主自身が「能力開発」のトップランナーであれば、従業員もまた「能力開発」の意欲がどんどん高まっていくと思います。
ただし、その場合でも「組織志向」が過ぎると周りからは浮いてしまいがちになると思いますので、今・未来を見据えた「時代志向」である必要があると思います。
以上10日間にわたる「能力開発推進のポイント」でした。
ほとんどが私自身の考えでしたが、普段のブログが制度説明などが中心ということもあり、ご容赦ください。
明日からは、「能力開発に関わる労務」をお伝えします。
【今日のポイント】
『謙虚さ』が備わった事業主は、従業員一人一人の価値観の違いに寄り添うことができる!