昨日のブログでは「従業員自らの将来像」を描くことに触れ、その中で「現実志向」と「未来志向」について触れましたが、今日は特に「未来志向」について掘り下げたいと思います。

 その具体的な内容は、従業員が「組織の未来」を描く場面をつくることです。

 

年齢を重ねれば「現実志向」にならざるを得ない

  ある一定の年齢に差し掛かると、身体や記憶力も衰え、新たな未来を描くことに抵抗が出てきます。

  また年齢を重ねれば、職位も上がっていることが多いと思いますので、あまり未来のことばかりを描いていては、周りから「現実を見ろ!」と地に足がついていないような印象も与えてしまいます。

 

  私自身もどちらかと言えば「現実志向」ですし、「現実志向」が悪いとは思っていません。

  ただし、注意すべきは、その「現実志向」を他人に、特に若い人たちには押し付けないようにはしています

  後で触れますが、自らの「現実志向」の捉え方が、必ずしも他人が同じ捉え方をするとは限らないからです。

 

 また、年齢を重ねれば「現実志向」にならざるを得ないというのは一般的な内容であり、必ずしも「未来志向」になれないわけではありません

 年齢を重ねても、いきいきしている方の多くは「未来志向」が強い方だと思います。

 

「未来志向」にこそ、モチベーションの源がある!

 一方で年齢が若ければ若いほど、希望に満ち溢れることが多いですが、働き始めると現実の厳しさを身に染みる場面もあると思います。

 現実の厳しさを知ることは大切であり、理想ばかりを抱くだけではいけませんが、だからといって現実に染まりすぎてしまい「現実志向」になってしまえば、モチベーションは向上しません

 

 やはり、「未来志向」にこそ、モチベーションの源があると思います。

 特に従業員の年齢が若い場合には、少しでも「未来志向」を描く場面が必要だと思います。

 未来へ向けて、少しずつ歩むことで「良い仕事をしたい」という思いも膨らんでいきます

 

 そして、それぞれの「未来志向」は年代などによっても違う場合が多いのです。

 

生きる時代が違えば、大事にしている価値観も変わってくる!

 私は現在44歳です。

 仮に人生を80年と考えた場合に、何を大事にしているかというと「60歳からの75歳までの期間に、どれだけ自立して働くことができるかということ」が目標です。

 一定の給与水準を低くても長く保ちながら、75歳くらいまで働くことが私の目標です。

 75歳以降は年金の繰り下げ支給によって主たる収入にできればと思っています(現在は70歳まで繰り下げることが可能。75歳までの繰り下げが可能になるのは、2022年4月から)。

 

 私と同じ年代の人がすべてこのように思っているわけではないですが、仮に私より年齢を重ねた方が「1つの組織で定年まで働くことの大切さ」を伝えられても、おそらく私は「定年まで働くことの大切さ」はあまり感じないと思います。

 

 年金の支給額も違いますし、自分が老後を迎えたときの社会情勢もまた違いますので、自分より上の年代の方との価値観に相違があると思っています。

 年齢が若い方は、なおさらかもしれません。

 生きる時代が違えば、大事にしている価値観も変わっていきます。

 

 つまり、ある年代にとっては「定年まで働くこと」が現実志向であっても、若い人にとって、むしろそれは現実的ではないことかもしれません。

 若い人たちに少しでも長く働いてもらいたいのであれば、「現実として、退職すると、あなたの生活がたいへんになる」ではなく「未来の会社にとって、あなたは必要な存在」ということをストレートに伝えた方が、よほど効果的だと思います。

 

組織の「未来を描かせよう!

 そして、組織が従業員の「未来志向」に寄り添うことが大事です。

 管理者が退職する10年後に、部下は「10年後にどのような組織にしたいのか」「20年後~」「30年後~」という形で従業員に描かせ、管理者がそれを聴く機会をぜひつくりましょう。

 

 その話を聴くことこそが、従業員の「未来志向」に寄り添っている何よりの証拠です。

 そして「未来志向」に寄り添うことで、従業員のモチベーションが高まり、「能力開発」もまた推進していけるのです。

 

 「未来のことなんか考えている余裕はない。現実の目の前のことが大事だ。」と思う管理者の方もいるかもしれませんが、それは「現実」が大事なのではなく、「管理者自らが自分のことを一番大事だと思っている」ようにも受け止められかねません

 

 さまざまな年代の、そして一人ひとりの「未来志向」に寄り添う場面をぜひつくってください!

 

 

【今日のポイント】

従業員へは「生活のため」ではなく、「未来の会社にとって必要な存在」ということをストレートに伝えよう!