昨日は「階層」についてお伝えしましたが、本日は一人ひとりの従業員が持つ「強み(優れた能力など)」についてです。
そして、その「強み(優れた能力など)」を引き出す方法の一つが「キャリアコンサルティング」です。
「キャリアコンサルティング」の軸は『カウンセリング』
「キャリアコンサルタント」の概要については、以前ブログでご紹介していますので、ここれは省略しますが、実際の「キャリアコンサルティング」の技能として軸となっているのが「カウンセリング」です。
実際、私は社会保険労務士の資格とともに「社会福祉士」も保持しており、「ソーシャルワーカー」という福祉の専門家でもあります。
「ソーシャルワーカー」も相談に応じることを専門とする職種ですが、相談場面を通じて問題を解決することが目的というよりは、相談を通じて相手の悩みに寄り添い、制度を紹介したり、関係機関と連携をとる等の方法により、相談者とともに問題を解決していきます。
一方、「カウンセラー」は心理の専門家です。
「カウンセリング」を通じて、「今まで話すことができなかったことを打ち明けることで気持ちにゆとりが生まれる」「話をすることによって新たな自己発見をする」などにより、相談者自らが問題解決できるようにサポートする専門家です。
ここではまず「キャリアコンサルティング」の軸は「カウンセリング」ということを抑えておきましょう。
「~しなさい」というように指示・指導することが「カウンセリング」ではありません。
相談場面を通じて、相談者が問題が解決できるよう導くことに「カウンセリング」の意義があります。
もちろん「キャリアコンサルタント」も必要な制度などを紹介する場面も出てきたり、複数の相談者が話し合うことでそれに対して助言するなどの手法を用いることもありますが、基本的に「カウンセリング」が軸にあります。
「キャリアコンサルティング」で大事なことは『対等な関係』
しかし、以前のブログで紹介しましたが、「キャリアコンサルタント」がいない事業所がの方が多いと思います。
「キャリアコンサルタント」がいない場合、「キャリアコンサルティング」の相手が上司という事業所も多いと思います。
上司が「キャリアコンサルティング」を行うというのも、必ずしも悪くはありません。
仕事での経験を積み重ね、何でも話をすることができる上司であれば 「キャリアコンサルティング」を行う相手として最適かもしれません。
一方で、信頼できない上司であれば「キャリアコンサルティング」を行うことに、まったく意味はないと思います。
なぜなら「本音を話したくない」または「話すことに意味がない」と思うからです。そうなると無駄な時間だけが経過することにもなります。
また信頼できる上司が、「キャリアコンサルティング」を行う相手として最適かもとお伝えしましたが、場合によっては必ずしもそうではないかもしれません。
「大事な上司だからこそ、伝えにくい」ということも場合によってはあると思います。そうなると、同じく「本音」を話さないかもしれません。
大切なのは、相談者が「本音」を話すことができる相手かどうかということです。
「本音」を話すことができるかの大事な要素は、相談者とコンサルティングを行う者との「対等な関係」です。
「対等ではない」という意識が働けば、相談者が構えてしまい、本音を引き出すことができません。
専門家でない方が「キャリアコンサルティング」を行う場合は、あらかじめ「対等な関係」を築くことを前提としている方(職業能力開発推進者など)が行うよう心掛けましょう!
「キャリアコンサルティング」の意義は「自らの強み」「自らのキャリア」を整理する!
「対等な関係」を構築し、相談者の「本音」を引き出すには、専門的な技術が必要です。
相談することを通じて、カウンセリングの技術により、相手の「本音」を引き出す専門家です。
具体的には、カウンセラーや公認心理士、そして「キャリアコンサルタント」です。
専門家を通じて「本音」が引き出されることで、相談者自身も今まで気づくことができなかった「自らの強み」「自らのキャリア」の気づき、整理することができるからです。
「自らの強み」「自らのキャリア」を整理する行程こそが「キャリアコンサルティング」を行う最大の意義です。
組織内に「キャリアコンサルタント」がいることも良いが、外部の「キャリアコンサルタント」を活用することも大事!
組織の中で「キャリアコンサルタント」や心理専門職がいれば、ぜひ相談してみてください。
ただ、現状では組織にそのような専門職がいることの方が少ないかもしれません。
その場合は、組織が外部の「キャリアコンサルタント」に委託したり、相談者の自らが「キャリアコンサルタント」を探して、相談をするのも良いかもしれません。
なお「キャリアコンサルタント」については、厚生労働省サイト「キャリコンサーチ」で検索することができます。
「自らの強み」「自らのキャリア」を整理することは、仕事のパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。
互いに対等な関係を構築できる「キャリアコンサルティング」を実践しましょう!
【今日のポイント】
相手の本音を引き出すことができるか?誰が「キャリアコンサルティング」を行うか十分に配慮しよう!