昨日は「能力開発を通じた従業員のモチベーション向上」についてお伝えしましたが、今日は「従業員」と「組織」の関係性の内容です。

  個人的には、今日の内容が、組織が「能力開発」により発展していくのか、それとも衰退していくのかの大きなターニングポイントになる内容だと考えています。

 

「従業員の能力開発に関わる要望」をどこまで認めるか?

 例えば、ある従業員が「訓練休暇を取りたい」と言ってきた場合に、あまり仕事とは関係がないような技術の訓練受講を申し出たような場合を想定し、話を始めていきます

 結論として「どこまで認めるか」は、業種や組織の経営理念などによって変わってくると思います。

   ここでは、「どこまで認めるか」を判断するためのポイントを挙げていきたいと思います。

 

ポイント1  何が「モチベーション向上」と考えるか?

 業務と関わりがないよう研修を受講する場合でも、「多角的な視点につながる」「リフレッシュにつながる」というような意図があれば休暇を付与することや受講費などを助成することに大きな意義があります。

  ただ、休暇を与えるかどうかの最終的に判断するのは組織ですので、業務と関わりがない研修受講に休暇を付与しないこともまた何ら間違ったものではありません。

  そのような場合「モチベーション向上をどのように捉え、それがどのように組織の業績に影響するのか」を軸に判断するべきだと思います。

 

ポイント2  何が「組織の効率」と考えるか?

 組織が研修受講を認めることで「業績が上がる」「残業が大幅に削減できる」などの効率が期待できるのであれば、「従業員の能力開発に関わる要望」を組織が認めることは、まさに「Win-Win」の関係です。

  しかし「研修期間に比して効果が少ない」「訓練休暇の時期が、繁忙期である」等の理由により休暇を与えることなどの支援は難しいと判断するのであれば、しっかりその理由を伝えましょう。

 

ポイント3 「従業員の要望」が「組織の期待」に添ったものなのか?

 例えば「将来的に、社会保険労務士になりたいので、~の研修に参加したいです」と言った場合、それが「組織の期待」に添ったものかどうかということです。

「社労士になる(社労士の勉強をする)ことで、将来の組織を担ってもらいたい」考えが、組織にあれば研修受講を推し薦めることに大きな意義がありますが、そのように考えていなければ会社として認めなければならないことはありません。

 

 また、ある程度の客観性も必要になってくると思います。

 新人職員や総務とはかけ離れた部署にいる職員が「社労士になりたい」と認めると、何でも認めてしまうような印象があります。

 「将来的に、人事労務を担う人材は、このようなキャリアを描いてもらう」ということが見えてこそ、客観性も生まれ、「組織の期待」が具現化したものになっていくと思います。

 

ポイント4 「職務の規律」として何を重視するのか?

 これも業種によると思いますが、「従業員の能力開発に関わる要望」何でもを認めてしまえば、他の従業員が不満を持つことにもなりかねません。

「ポイント1~3」の内容も含めてですが、大事なことは可能な限り就業規則などで、組織内のルールを事前に決めておくことです。

 

 以上4つのポイントのまとめとして重要なことは、組織は「従業員の能力開発に関わる要望」を最大限尊重すること。

 そして「組織として遵守してもらいたいことをはっきり伝える」とともに「組織の期待を伝える」といいうことです。

 

避けるべきは「従業員の能力開発に関わる要望」と「組織の期待」のすれ違い

 そして、上記「ポイント1~4」の内容や「能力開発」に関わる取り組みを丁寧に積み重ねていかないと、最も避けるべき従業員の能力開発に関わる要望」と「組織の期待」の『すれ違い』が生じます

 

 つまり「能力が向上する」⇒「組織に能力を発揮する場面がない」⇒「組織と従業員に擦れ違いが生まれる」⇒「従業員のモチベーションが低下する」⇒「従業員は離職する」の悪循環が生じることです。

 それを避けるためには、「従業員の能力開発に関わる要望」と「組織の期待」の『擦り合わせ』が大切だと考えています。

 

必ず行うべきは「従業員の能力開発に関わる要望」と「組織の期待」の擦り合わせ

 つまり、「組織」と「従業員」が妥協するところは妥協し、認め合えるところは認め合うということです。

 

 従業員も雇用されている以上、組織の方針に従い、労働を提供する義務があります。

 どの組織に所属したとしても、自分のやりたいことが100%が実現できるということは、まずないと思います。

 多くの方々は、いろいろなことに気を配り、自らの気持ちに妥協する気持ちを抱えながらも、その一方で「大きなやりがい」を感じて組織で働いていると思います。

 

 そうであるならば、組織も「従業員の能力開発に関わる要望」を過剰に警戒をする必要はありません。

 組織として理解してもらいたいことを誠意をもって、従業員に伝えていけば、従業員はその気持ちを受け止めると思います。

 仮に転職する従業員がいても「社会にとっては大きなプラスにつながる」「新たな挑戦を応援する」という気持ちにつながると思います。

 

 『擦り合わせ』を行わず「従業員の能力開発に関わる要望」をまったく受け止めないといった印象を与えることは避けるべきだと思います。

 

組織として大事にすべきは、やはり「従業員のモチベーション向上」

 「すれ違い」のリスクがあれば、そもそも「能力開発」を組織として推進しない方が良いのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。

 以前のブログで紹介した「キャリアコンサルタント」などの取組をしない方が良いのではないかと思う方もいるかもしれません。

 

 しかし昨日のブログでも触れましたが、「能力開発」を行わないというのは、従業員のモチベーション向上を封じ込めることにもつながります。

  例えば「能力開発をしたことで、転職しよう」と思う従業員もいるかもしれませんが、「転職しようと思ったが、能力開発を通じて、自らの会社での役割が分かった」という従業員もいるかもしれませんし、能力開発に関わらず転職する人はするでしょうし、しない人はしないと思います。

  大切なことは「従業員がモチベーション向上を続けることができる会社が、優秀な人材を育成し、そして優秀な人材が集まってくる」という事実に向き合うことだと思います。

 

  では「モチベーション向上」のために何をするのかというと、組織が「能力開発を推進する」ということに、結局は戻ってくるのです。

  本日の内容は、本来ブログの結論にあたるような内容なのですが、「能力開発」のモヤモヤする部分を少しでも解消してもらえればと思い、早い段階でお伝えしました。

 

  明日は「能力開発」のために「自らの強み」を知ることにの大切さについて、お伝えします。

 

 

今日のポイント

従業員の能力開発を推進する上では、「組織」と「従業員」が妥協するところは妥協し、認め合えるところは認め合う『擦り合わせ』の場面が必要!