事業主が配慮する「5つのポイント」

  昨日は「職業能力開発促進法」の目的と理念についてお伝えしましたが、今日はその法律の中で明記されている「事業主が配慮すること」です。

  法律の第8条に明記されていますので、早速確認していきましょう!

 

●職業能力開発促進法第8条

(多様な職業能力開発の機会の確保)

第八条 事業主は、その雇用する労働者が多様な職業訓練を受けること等により職業能力の開発及び向上を図ることができるように、その機会の確保について、次条から第十条の四までに定める措置を通じて、配慮するものとする。

 

 その内容については、実際に第9条から第10条の4に明記されていますが、「配慮1~5」という形でまとめてみましたので、早速、確認していきましょう(条文は、以下省略します)。

 

~配慮1~労働者に対して職業訓練を行うとき

 事業主は「その雇用する労働者に対して職業訓練を行う場合」には、その労働者の業務の遂行の過程内において又は当該業務の遂行の過程外において、自ら又は共同して行うほか、公共職業能力開発施設その他職業能力の開発及び向上について適切と認められる他の者の設置する施設により行われる職業訓練を受けさせることによって行うことができます。

 

~配慮2~労働者に係る職業能力の開発及び向上を促進するとき

①他の者の設置する施設により行われる職業に関する教育訓練を受けさせること

②自ら若しくは共同して行う職業能力検定又は職業能力の開発及び向上について適切と認められる他の者の行う職業能力検定を受けさせること

 

~配慮3~実習併用職業訓練の実施により、労働者の実践的な職業能力の開発及び向上を促進するとき

 「実習併用職業訓練」とは、事業主が『その雇用する労働者の業務の遂行の過程内において行う職業訓練』『公共職業能力開発施設により行われる職業訓練・認定職業訓練・その他当該事業主以外の者の設置する施設であつて職業能力の開発及び向上について適切と認められるものにより行われる教育訓練』とを効果的に組み合わせることにより実施するものであつて、これにより習得された技能及びこれに関する知識についての評価を行うもの

 

~配慮4~労働者の職業生活設計に即した自発的な職業能力の開発及び向上を促進するとき

①労働者が自ら職業能力の開発及び向上に関する目標を定めることを容易にするために

⇒情報の提供、キャリアコンサルティングの機会の確保その他の援助を行うこと

 

②労働者が実務の経験を通じて自ら職業能力の開発及び向上を図ることができるようにするために

⇒労働者の配置その他の雇用管理について配慮すること

 

~配慮5~「配慮4」のために、労働者が自ら職業に関する教育訓練又は職業能力検定を受ける機会を確保するとき

①「有給教育訓練休暇」「長期教育訓練休暇」「再就職準備休暇その他の休暇」を付与すること

なお、それぞれの休暇の内容については以下のとおりです。

「有給教育訓練休暇」

職業人としての資質の向上その他職業に関する教育訓練を受ける労働者に対して与えられる有給休暇

「長期教育訓練休暇」

職業人としての資質の向上その他職業に関する教育訓練を受ける労働者に対して与えられる休暇であつて長期にわたるもの

「再就職準備休暇」

再就職のための準備として職業能力の開発及び向上を図る労働者に対して与えられる休暇

 

 なお、上記休暇は、労働基準法の年次有給休暇ではありませんし、年次有給休暇であってはなりません

 労働基準法の「年次有給休暇」は、労働者が自由に利用することが前提ですので、労働基準法の年次有給休暇とともに、上記休暇を設けるよう配慮するということです。

 

②始業及び終業の時刻の変更、勤務時間の短縮その他職業に関する教育訓練又は職業能力検定を受ける時間を確保するために必要な措置を講ずること

 

それぞれの配慮の要点を確認しよう!

まず「配慮1」「配慮3」は、以前ブログで紹介しました「OJT(職場内研修」と「OFFーJT(職場外研修)」をイメージすると良いと思います。

 

次に「配慮2」は、「職業能力検定」です。こちらの内容については、5月12日のブログでご紹介します。

そして「配慮4」は、「キャリアコンサルティング」です。こちらの内容については、5月13日のブログでご紹介します。

「配慮2」「配慮4」は労働者の自発性を尊重、こちらも以前ブログで紹介しました「自己啓発」を支援するような内容です。

 

 最後に「配慮5」は時間的配慮について明記していますが、「ワークライフバランス」を尊重したものと言えるかもしれません。仕事だけに没頭するだけでなく、「自主的な学びを推進し、仕事場で実践していく」ことが、今の時代に求められているといえるかもしれません。

 

 明日は、職業能力開発促進法で「事業主が配慮しなければならないこと」です。

 

 

今日のポイント

仕事に関する学びの場は「会社のため」だけでなく、「社会のため」そして「自らのため」ということを意識しよう!