昨日は、今月特集する「能力開発」についての全体像をお伝えしました。

 今日は「能力開発の基礎知識」に関してです。主に、教育訓練の「内容」と「直近の動向」についてお伝えします。

 

「教育訓練」の内容

 さまざまな区分の仕方があると思いますが、一般的な「OJT」「OFFーJT」「自己啓発」の3つを確認します。

 それでは内容やその特徴をご紹介していきます。

 

1 OJT

 「On the job Training」の略称です。日本語では「職場内研修」となります。

 職場の先輩などが「実際の仕事を通じて」、後輩などに指導することです。

 「学びの場」と「仕事の場」が共通していますので、最も実践的な内容です。

 

 指導を受ける側(後輩など)も能力を高めることが目的ではありますが、指導する側(先輩など)も指導を通じて、能力を高めることにもなります。

 ただし、日常的で、外部からの刺激もないのでマンネリ化しやすく、「OJT」だけでは「井の中の蛙大海を知らず」ということにもなりかねません。

 

 

2 OFFーJT

 「Off the job Training」の略称です。日本語では「職場外研修」となります。

 「実際の仕事の場面から離れた」教育訓練です。

 例えば、外部機関が主催する研修に参加することが「OFFーJT」ですが、自らが所属する会社・職場などが主催する「階層別研修・専門別研修」なども「OFFーJT」です。

 

 「OJT」とは対照的に非日常的な場面ですので、教育を受ける側は、とても刺激的な場面となりますので、井の中の蛙が、大海を知る機会になるといった感じです。会社や部署を超えた人間関係の交流にもつながります。

 一方で、学んだことが仕事に直結するとも限りませんので、やはり「OJT」と「OFFーJT」をうまく組み合わせることが大事です。

 

 

3 自己啓発

 従業員自らの自発的な教育訓練です。

 外部機関の研修会に従業員自らの意思で参加したり、「検定」「資格取得」を目指したりするなどです。

 「自発的」なことに意義がありますので、会社や職場が「受けなさい」というようなものは真の意味での「自己啓発」とはなりません。

 

 「自己啓発」の最大の強みは、従業員のモチベーションを最大限に高めることです。

 「自らが学んで、良い仕事をしたい」というモチベーションほど最強のものはないと思います。

 

 組織は、明日以降のブログで紹介する「教育訓練給付」などの制度紹介や、休暇付与・受講料補助などの方法で支援をすることになります。

 ただし、当然「学んだことが仕事に結び付く」というのが前提ですので、何でも組織が支援するというわけにはいかないと思いますので、どこまで支援するかの線引きは難しいと思います。

 

 

教育訓練に関する直近の動向

 厚生労働省が実施した、令和元年度「能力開発基本調査」の結果の中から、主な内容をいくつかご紹介します。

 

1 計画的なOJTの実施状況(事業所への調査から)

 正社員または正社員以外に対して令和元年度に計画的なOJTを実施した事業所は66.2%(計画的なOJTを実施していない事業所は32.6%)

 

2 OFF-JTの実施状況(事業所への調査から)

・令和元年度に正社員または正社員以外に対して令和元年度にOFF-JTを実施した事業所は76.0%(OFF-JTを実施していない事業所は23.4%)

・実施した「OFF-JT」の内容は、回答が多い順に「新規採用者など初任層を対象とする研修」が75.4%、「新たに中堅社員となった者を対象とする研修」が48.0%、「マネジメント(管理・監督能力を高める内容など)」が47.0%、「ビジネスマナー等のビジネスの基礎知識」が43.3%、「新たに管理職となった者を対象とする研修」が42.5%と続いていきます。

 

3 「OFF-JT」または「自己啓発支援」への費用支出状況(事業所への調査から)

・令和元年度の企業の教育訓練への支出状況について、「OFF-JT」または「自己啓発支援」に支出した企業は57.5%

・その内訳は「OFF-JT」と「自己啓発支援」の両方に支出した企業は25.0%、「OFF-JT」にのみ費用を支出した企業は29.4%、「自己啓発支援」にのみ支出した企業は3.1%。どちらにも支出していない企業は 41.6%。

 

4 自己啓発の実施状況(個人への調査から)

・平成30年度に自己啓発を行った者は、労働者全体では29.8%であり、正社員で39.2%、正社員以外で13.2%と、正社員以外の実施率が低い。

・正社員では「ラジオ、テレビ、専門書等による自学、自習」を挙げる者の割合が36.7%で最も高く、「eラーニング(インターネット)による学習」が27.5%、「社内の自主的な勉強会、研究会への参加」が25.9%、「社外の勉強会、研究会への参加」が24.2%と続いています。

・正社員以外においても、「ラジオ、テレビ、専門書等による自学、自習」を挙げる割合が31.6%で最も高く、正社員と同様に「eラーニング(インターネット)による学習が28.0%、「社内の自主的な勉強会、研究会への参加」が23.9%、「社外の勉強会、研究会への参加」が17.0%と続いています。

 

 

 以上が本日の内容です。ぜひ参考にしてみてください。

 明日からは具体的な内容として、雇用保険の「教育訓練給付金」をご紹介します。

 

 

今日のポイント

「OJT」「OFFーJT」「自己啓発」の3つの大まかな内容を理解しておこう!