育児休業等に関するハラスメントを定めるのは「育児・介護休業法」

 昨日は「『妊娠・出産等』に関するハラスメントで事業主が留意すべきこと」でしたが、今日は「『育児休業等』に関するハラスメントで事業主が留意すべきこと」です。

 『妊娠・出産等』に関することは「女性労働者」に対してのハラスメントを防止する趣旨でしたが、『育児休業等』は当然男性も取得できますので「男女労働者」に対してのハラスメントを防止する趣旨です。

 

 以下の文章構成は昨日とほぼ同じものですが、「妊娠・出産等」との内容の違いを意識しながらご覧いただければ幸いです。

 育児休業等に関するハラスメントを定める「育児・介護休業法」から2つの条文をご紹介しますので、事業主の皆様は以下2点についてご留意ください。

 

留意点1 事業主は不利益な取扱いをしてはならない

●育児・介護休業法第10条

第十条 事業主は、労働者が育児休業申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

 

 つまり、事業主は「不利益取り扱い禁止の対象となる制度等」の申出・利用などにより「解雇その他不利益な取扱いをしてはならない」ということです。

 ここでは、厚生労働省「職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!で示されている『不利益取り扱い禁止の対象となる制度等』と『不利益取り扱いの例』をご紹介します。

 

(不利益取り扱い禁止の対象となる制度等)

育児休業(育児のために原則として子が1歳になるまで取得できる休業)

・介護休業(介護のために対象家族1⼈につき最大で3回まで分割して通算93⽇間取得できる休業)

⼦の看護休暇(子の看護のために年間5⽇間(子が2⼈以上の場合10⽇間)取得できる休暇)

・介護休暇(介護のために年間5⽇間(対象家族が2⼈以上の場合10⽇間)取得できる休暇)

所定外労働の制限(育児⼜は介護のための残業免除)

時間外労働の制限(育児⼜は介護のため時間外労働を制限(1か⽉24時間、1年150時間以内))

深夜業の制限(育児⼜は介護のため深夜業を制限)

所定労働時間の短縮措置(育児⼜は介護のため所定労働時間を短縮する制度)

始業時刻変更等の措置(育児⼜は介護のために始業時刻を変更する等の制度)

 

(不利益取り扱いの例)

1 解雇すること。

2 期間を定めて雇⽤される者について、契約の更新をしないこと。

3 あらかじめ契約の更新回数の上限が明⽰されている場合に、当該回数を引き下げること。

4 退職⼜は正社員をパートタイム労働者等の非正規雇⽤社員とするような労働契約内容の変更の強要を⾏うこと。

5 就業環境を害すること。

6 自宅待機を命ずること。

7 労働者が希望する期間を超えて、その意に反して所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限⼜は所定労働時間の短縮措置等を適⽤すること。

8 降格させること。

9 減給をし、⼜は賞与等において不利益な算定を⾏うこと。

10 昇進・昇格の⼈事考課において不利益な評価を⾏うこと。

11 不利益な配置の変更を⾏うこと。

12 派遣労働者として就業する者について、派遣先が当該派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を拒むこと。 

 

留意点2 事業主は必要な措置を講じなければならない

●育児・介護休業法第25条

第二十五条 事業主は、職場において行われるその雇用する労働者に対する育児休業、介護休業その他の子の養育又は家族の介護に関する厚生労働省令で定める制度又は措置の利用に関する言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

 昨日の「妊娠・出産等」と同じく、労働者の就業環境が害されることがないよう、事業主は「雇用管理上の措置を講じなければならない」ということです。

 そしてこちらも昨日と同じく、この講じなければいけない措置は、パワーハラスメントに関する講じなければいけない措置で掲げる10項目の措置と同じになっています(以前ご紹介したブログをご覧ください)が、育児休業等に関するハラスメントについては「業務体制の整備など、事業主や妊娠等した労働者等の実情に応じた必要な措置(昨日のブログ)」という項目が加わるため、全11項目となります。

 

 本来「育児休業等」は男女関係なく取得できる制度なのですが、潜在的に男性が取得できないよう雰囲気はないでしょうか?

 「不利益な取扱いをしていないから大丈夫」という意識に留まらず、誰もが気兼ねなく「育児休業等」を取得できる職場環境を構築していきましょう!

 

 明日は「妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの『2つの類型』」です。

 

 

今日のポイント男性の育児休暇取得を推進することも、経営向上には必要!