昨日までは「育児期間の労働時間」でしたが、今日からは「出産・育児の保険料等」です。

  本日は「産前産後休業期間中」の保険料免除についてです。

  毎月の給与明細で控除されている「健康保険」「厚生年金」の保険料が、産前産後休業期間中は免除されるということです。

 

産前産後休業期間中の「健康保険」保険料免除

  健康保険法第159条の3に明記されています。

 

●健康保険法第159条の3

第百五十九条の三 産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、その産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、当該被保険者に関する保険料を徴収しない。

 それでは、条文の内容に従いポイントを確認します。

 

ポイント1 健康保険の被保険者(任意継続被保険者・特例退職被保険者は除く)

 「協会けんぽ(全国健康保険協会)」又は「組合健保(健康保険組合)」の被保険者が対象になります。

 ただし、仕事と育児の両立を支援することが目的ですので、健康保険適用事業所に使用されていない任意継続被保険者・特例退職被保険者は対象外です。

 

ポイント2 事業主が保険者等に申し出る

 事業主が保険者等(協会けんぽ:日本年金機構、組合健保:健康保険組合)に申し出て、被保険者の保険料が免除されることになります。

 

ポイント3 「産前産後休業を開始した日の属する月」から「その産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月」までの期間の保険料が免除される。

 具体例を挙げて説明します。

 5月1日に出産予定日の労働者が、3月21日より産前休業に入り、5月1日に予定通り出産。産後休業を6月26日まで産後休業した場合です。

 その場合「3月」が起点になります。そして「産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月」は、6月26日に産後休業が終了しますので、その翌日は6月27日です。その6月27日が属する月(6月)の前月ですので「5月」です。「5月」が終点です。

 したがって、「3月」「4月」「5月」の3か月分の健康保険保険料が免除されることになります。

 

産前産後休業期間中の「厚生年金保険」保険料免除

 厚生年金保険法第81条の2の2に明記されています。

 

●厚生年金保険法第81条の2の2

第八十一条の二の二 産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、主務省令で定めるところにより実施機関に申出をしたときは、第八十一条第二項の規定にかかわらず、当該被保険者に係る保険料であつてその産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間に係るものの徴収は行わない。

2 第二号厚生年金被保険者又は第三号厚生年金被保険者に係る保険料について、前項の規定を適用する場合においては、同項中「被保険者が使用される事業所の事業主」とあるのは、「被保険者」とする。

 

 それでは、条文の内容に従いポイントを確認します。

 

ポイント1 厚生年金保険の被保険者である

 厚生年金保険の被保険者は、第1号被保険者(民間被用者)、第2号被保険者(国家公務員)、第3号被保険者(地方公務員)、第4号被保険者(私立学校教職員)の4つの種別があります。

 

ポイント2 事業主が実施機関に申し出る 

 事業主が実施機関に申し出て、被保険者の保険料が免除されることになります。

 実施機関は、第1号被保険者は「厚生労働大臣(申出先:日本年金機構)」、第2・3・4号は「それぞれの共済組合等」です。

 

ポイント3 「産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間」の保険料が免除される

 上記「健康保険法」保険料免除の『ポイント3』と同様です。

 

「国民年金法」にも産前産後の保険料免除の制度がある!

 厚生年金保険は会社等に雇用されている方が対象ですので、自営業などの方は「厚生年金」の対象ではなく「国民年金(国民年金基金などを含む)のみ」の対象となります。

 そして、国民年金にも「産前産後の保険料の免除」の制度があります。国民年金法第88条の2に明記されています。

 

●国民年金法第88条の2

第八十八条の二 被保険者は、出産の予定日(厚生労働省令で定める場合にあつては、出産の日。第百六条第一項及び第百八条第二項において「出産予定日」という。)の属する月(以下この条において「出産予定月」という。)の前月(多胎妊娠の場合においては、三月前)から出産予定月の翌々月までの期間に係る保険料は、納付することを要しない。

こちらもポイントを確認します。

 

ポイント1 国民年金の第1号被保険者である

 国民年金の被保険者は、第1号被保険者(自営業者、学生など)、第2号被保険者(厚生年金被保険者)、第3号被保険者(第2号被保険者の配偶者で、主として第2号被保険者に生計を維持されている者)の3つの種別があります。

 国民年金の産前産後休業の保険料免除に該当するのは「第1号被保険者のみ」です。

 

ポイント2 市町村長に届出書を提出する  

 雇用されていませんので、事業主はいません。したがって、健康保険・厚生年金と異なり、事業主が提出ということはありません。

 

ポイント3 「出産予定日の属する月の前月」から(多胎妊娠の場合は3カ月前から)「出産予定日の翌々月」までの期間の保険料が免除される

 先ほどの例と同様、 5月1日に出産予定日の労働者が、3月21日より産前休業に入り、5月1日に予定通り出産。産後休業を6月26日まで産後休業した場合です(多胎妊娠ではない)。

 この場合「出産日の属する月の前月」は、出産日が5月1日ですので、その前月の「4月」です。「4月」が起点になります。

 そして「出産予定日の翌々月」は、出産月の5月の翌々月「7月」です。「7月」が終点です。

 したがって、「4月」「5月」「6月」「7月」の4か月分の国民年金の保険料が免除されます。

 

 お気づきかもしれませんが、具体例の場合、厚生年金保険は3カ月間免除で、国民年金は4カ月免除ですので、厚生年金の方が不利なように見えます。

しかし、国民年金には「育児休業期間の保険料免除」がありません

 

 そこで明日は、健康保険・厚生年金保険の「育児休業期間中の保険料免除」についてです。

 

 

今日のポイント

「健康保険」「厚生年金保険」の保険料は、産前産後休業期間中は免除される!