昨日は、事業主が講ずべき『義務』がある「短時間勤務制度」についてお伝えしました。

 今日は、事業主が講じるよう『努力義務』がある「短時間勤務制度等」についてお伝えします。

事業主が講じるよう努力義務がある「短時間勤務制度等」

 その内容は、育児・介護休業法第24条第1項に明記されています。

 

●育児・介護休業法第24条第1項

(所定労働時間の短縮措置等)

第二十四条 事業主は、その雇用する労働者のうち、その小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、労働者の申出に基づく育児に関する目的のために利用することができる休暇(子の看護休暇、介護休暇及び労働基準法第三十九条の規定による年次有給休暇として与えられるものを除き、出産後の養育について出産前において準備することができる休暇を含む。)を与えるための措置及び次の各号に掲げる当該労働者の区分に応じ当該各号に定める制度又は措置に準じて、それぞれ必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

一 その一歳(当該労働者が第五条第三項の規定による申出をすることができる場合にあっては一歳六か月、当該労働者が同条第四項の規定による申出をすることができる場合にあっては二歳。次号において同じ。)に満たない子を養育する労働者(第二十三条第二項に規定する労働者を除く。同号において同じ。)で育児休業をしていないもの 始業時刻変更等の措置

二 その一歳から三歳に達するまでの子を養育する労働者 育児休業に関する制度又は始業時刻変更等の措置

三 その三歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者 育児休業に関する制度、第十六条の八の規定による所定外労働の制限に関する制度、育児のための所定労働時間の短縮措置又は始業時刻変更等の措置

 条文の内容を紐解くと、事業主は、次の「努力義務1~4」の措置を講ずるように努めなけれなならないということです。

 

努力義務1 「小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者」に対して

 条文の本文に明記されている内容です。

措置内容労働者の申出に基づく育児に関する目的のために利用することができる「休暇」を与えるための措置

 

 法律上、ここでの「休暇」は「子の看護休暇、介護休暇及び労働基準法第三十九条の規定による年次有給休暇として与えられるものを除き、出産後の養育について出産前において準備することができる休暇を含む」とされています。

 

努力義務2 「育児休業をしていない、1歳(又は1歳2カ月、1歳6カ月、2歳)に満たない子を養育する労働者」に対して

 条文の第1号に明記されている内容です。

【措置内容】始業時刻変更等の措置

 

 原則1歳に満たない子を養育する労働者です。

 「1歳2カ月」「1歳6カ月」「2歳」に満たない子を養育する労働者が該当するのは「育児休業の特例申出をすることができる場合」です(詳しくは、こちらのブログをご覧ください)。

 

努力義務3 「1歳(又は1歳2カ月、1歳6カ月、2歳)に満たない子を養育する労働者」に対して

 条文の第2号に明記されている内容です。

【措置内容】「育児休業に関する制度」又は「始業時刻変更等の措置」

 

 上記「努力義務2」との違いは「育児休業をしている労働者も対象」になることですが、その対象者に対して「育児休業に関する制度」の措置を講じる内容が加わるということです。

 対象年齢などの決まりは、上記「努力義務2」と同様です。

 

努力義務4 「3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者」に対して

 条文の第3号に明記されている、それぞれの内容です。

【措置内容】「育児休業に関する制度」、「所定外労働の制限に関する制度」、「所定労働時間の短縮措置」、「始業時刻変更等の措置」

 

 つまり、一昨日ご紹介した、3歳に満たない子を養育する労働者を対象とした「所定外労働の制限に関する制度」。

 そして、昨日ご紹介した、同じく3歳に満たない子を養育する労働者を対象とした「所定労働時間の短縮措置」を、「小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者にも適用されるように努力しましょう」ということです。

 

 今回ご紹介した内容は、あくまで努力義務ですので、一昨日・昨日のような原則「義務」を前提としたものではありません。

 しかし、以前からこのブログでご紹介していますが「努力義務」は、とても大事な定めです。

 この「努力義務」があるかどうかで、労働者に対する会社の対応の違いがはっきりしていきます。

 

 今日で「育児期間の労働時間」は終了です。明日からは「出産・育児の保険料等」です。

 

 

今日のポイント育児に関する労働時間の「努力義務」を遂行することは会社の強みにもつながっていく!