「就業規則」が、労働基準法の最低基準だけを示さない方が良い理由

 今日は、「働きやすい環境をつくるための戦略書である」です!

 就業規則は、労働基準法の最低基準だけを示したり、法改正に対応したりするだけでもたいへんです。

 

 そのため、その段階で終わってしまうことも多いと思います。

 そこで、今日は表題の内容を加え、3つの就業規則が、労働基準法の最低基準だけを示さない方が良い理由」を紹介します!

 

~理由1~「就業規則」は「経営理念」が見えるものであるべき!

 「経営理念」は、基本的には外部(お客さま)へ発信するものです。

 「私たちのサービスは〇〇を目指します!」というようなことです。

 

 では、その「〇〇なサービス」を実現するために何をするかということです。

 実は、そこまで踏み込んでいない場合もけっこうあるのではないでしょうか?

 

 「〇〇なサービス」を提供できるかどうかは、その会社で働いている人たち次第です。

 働いている人たちのモチベーションを高めるための取り組みが必要です。

 そして、その取り組みは曖昧な位置づけであってはなりません

 

 だからこそ「就業規則」に具体的な取り組みを示すことで、「就業規則」は「経営理念」が見えるものでなければなりません。

 細かい取り組みまでを「就業規則」に直接示さなくても良いとは思いますが、例えば指針などを作成したのであれば、就業規則の内容に明確な関連性を表記するべきだと思います。

 

~理由2~「就業規則」は、働きやすい環境をつくるための「戦略書」であるべき!

 今月の最初のブログでもお伝えしましたが、労働基準法の「基準」は最低限のものを示したものです。

 そして法律の第1条には、「労働条件の向上に努めなければならない」という努力義務が明記されています。

 

  先月のブログで「努力義務」についても触れましたが、「努力義務」は「義務」よりも緩いという法律の解釈だけでなく、「努力を続ける」という言葉にしっかりと向き合う必要性についてお伝えしました。

 

 つまり、「就業規則」がそのまま労働基準法の最低基準を示したものであれば、組織としての「努力」が見えにくいとも受け止められかねません。

 さらに言えば、組織として、働きやすい環境をつくるための「戦略」が見えにくいとも受け止められてしまいます。

 

 「労働基準法の基準は〇〇だが、うちの組織は〇〇だ!」と胸を張って言えることが、働きやすい環境をつくるための組織としての誠意を示すことにもなります。

 

~理由3~人事労務に関する取り組みは「就業規則」に、その「根拠」があるべき!

  例えば、「賃金テーブルを改訂したい」と考えれば、その根拠が「就業規則」などに見えるものでなりません

 つまり「組織として、どのような人材を評価するのか」「組織として、どのような働き方を保証していくのか」などの根拠が就業規則に見えなければ、「賃金テーブル」を組み立てることが難しくなります。

 

 就業規則にそれが見えないのであれば、「賃金テーブル」を組み立てる作業工程の中から、就業規則にもそれを明確に示す作業を並行して行うべきだと思っています。

 「賃金テーブル」の数字を変えることよりは、むしろ「どのような能力があれば、高い評価になるのか」「その評価は、経営理念に沿ったものなのか」といった検討を丁寧に行うことの方が大事です。

 

 なぜなら、新たな「賃金テーブル」を労働者全員に納得してもらうには、「賃金テーブル」の数字ではなく、むしろその給料に差が出る理由です。

 その理由を、はっきりと言葉で明記する必要があります。

 

 「賃金テーブル」を改訂するときは、労働者間の給料がすぐに差が出ることがあってはなりませんが、調整給を導入したりして猶予期間を設けた後は、差が生まれるわけです。

 その根拠が曖昧であれば、働く側に不満が生じることにもなりかねません。

 だからこそ「就業規則」に「経営理念」「戦略」が見えるものでなければならないのです。

 「経営理念」「戦略」が見えれば、自ずとその「根拠」は明確になると思います。

 

 これは「賃金テーブル」に限らず、「ハラスメント」「高齢者・障害者雇用」「表彰制度」「採用戦略」など・・・人事労務に関する取り組みであれば何でも言えると思います!

 

 

今月で「就業規則~基礎編~」は終了となります。ご覧いただき、ありがとうございました!

明日、令和3年4月からの特集は「労働者の出産・育児」です。来月もよろしくお願いします!

 

 

今日のポイント

就業規則に「経営理念」「戦略」が見えれば、人事労務に関する改革がスムーズに行える!