今日と明日で、就業規則についてまとめていきたいと思います。
「就業規則とは?」というお題に対して、回答します。少し遊び心を交えてお伝えしますが、内容はしっかりお伝えしますので、何卒お付き合いください。
まず今日は、「就業規則は、『キャッチボール』である」です!
就業規則とは、3つの「キャッチボール」である!
私なりに、「キャッチボール」をさらに3種類に分けてみました。
①「使用者」と「労働者」との『キャッチボール』である!
②「組織」と「法律」との『キャッチボール』である!
③「組織」と「時代」との『キャッチボール』である!
~その1~ 就業規則とは、「使用者」と「労働者」との『キャッチボール』である!
以前のブログでもお伝えしましたが、労働基準監督署へ届出義務がある「就業規則」は、労働者の意見書を添付して届出をする必要がありますが、最終的にその意見に拘束される義務はありません。
つまり、「使用者」から「労働者」へ『投げっぱなし』という事実も起こりかねません。
しかし、使用者の『投げっぱなし』はリスクがあります。
なぜなら、「使用者」が労働の実態を把握することが困難になるからです。
業務が細分化されればされるほど、1つの「就業規則」で押し通すことに無理が出てきます。例えば、お昼休みはお客さんへの電話対応をしなくても良いという「就業規則」を定めていたとしても、ある部署が業績が伸びないことから、お昼休みに電話対応していたとしたら、それは就業規則に違反します。
このような細かい事実が、「組織」に伝わっているかどうかは、日ごろから「使用者」と「労働者」が『キャッチボール』をしていなければ分からないと思います。
だからこそ、労働者にもボールを投げる機会を与え、使用者がそのボールをキャッチする場面が必要なのです。
~その2~ 就業規則とは、「組織」と「法律」との『キャッチボール』である!
本来「就業規則」は「経営理念」を反映させてこそ意味がありますので、そうした場合に専門家の力を借りるのが良いと思います。
そしてさらに何が手間かと言えば、法律が頻繁に改正することです。
法律改正を見逃すわけにはいきませんし、「法律」は不定期にボールを投げてきます。
「組織」はそれをキャッチできる準備をしておかなければなりません。
「組織」がキャッチする体制を強化したいときにこそ、社労士などの専門家と継続的な関係をつくり、その役割を担わせることが効率的だと思います。
~その3~ 就業規則とは、「組織」と「時代」との『キャッチボール』である!
より具体的に野球の話になりますが、昔のプロ野球のピッチャーであれば何日間も連続して投げ続け、1年間に今では想像できないくらい、たくさんの勝ち星を挙げるピッチャーもいました。
しかし、その中には、肩ひじを壊し、短い野球人生を送った方もたくさんいます。
そのようなことが見直され、「中〇日(毎週日曜日に登板するなど)」とか「100球を目途」という考えが生まれてきました。
このような考えすべてが正しいかどうかは、私は野球の専門家ではないので分かりませんが、少なくとも「長い視点で考えれば、ピッチャーにあまり無理をしてはいけない」という視点が生まれたことは間違いないと思います。
つまり「時代」が求めることは変わり続けるのです。
その変化を組織は「キャッチ」しなければなりません。その「キャッチ」を具現化したものが『就業規則』なのです。
先ほどのプロ野球の例を、働く場面に当てはめるとしたら、「時間外労働」や先月ブログで特集した「ハラスメント」などかもしれません。
生産性を上げるために「労働者を無理に働き続けさせるより」は、「労働者の働きやすさ」を追い求めた方が結果的にも生産性が上がるということです。
いかがでしたでしょうか?最後の例えは、「キャッチボール」というより、無理やり「野球」に例えてますので、かなり強引な感じはしますがお許しください・・・。
なんとなくでも「就業規則は、ただ単に会社のルールを定めただけではない」というようなイメージを持っていただければと思います!
今日のポイント
良い就業規則とは、「労働者」「法律」「時代」に寄り添った『名キャッチャー』である!