今日は「解雇」についてです。

 有期労働契約については昨日のブログでお伝えしましたので、今日は「無期労働契約」いわゆる「期間の定めのない労働契約」についてです。

 今日から3日間ポイントを抑えていきます!

 

ポイント1 解雇が「無効」になるとき

「解雇」の効力についてですが、労働基準法ではなく「労働契約法」に明記されています。

●労働契約法第16条

第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 まず、「解雇事由」については、就業規則に定めなければなりません。したがって「客観的に合理的な理由」かどうかは、就業規則に定めている内容が合理的かどうかということです。

 基本的には、不当な解雇がないように、労働者は法律により、しっかり守られています

 

ただし、労働者は使用者に対して、労働を提供する義務があります。

「無断欠勤が2週間以上続く」「解雇を可能ならしめるほどの重大な職務規律違反」「著しいまでの勤務成績不良」など、その義務が果たせていない場合は「解雇」の対象になってくるということです。

 

 

ポイント2 解雇が「制限」されるとき

 こちらは「労働基準法」に明記されています。

 

●労働基準法第19条

第十九条 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第八十一条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。

② 前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。

 ポイントは「解雇が制限されるとき」「その制限が解除されるとき」の2つの内容が明記されています。

 

 

解雇が制限されるとき(使用者が解雇できないとき)

①業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間

 ここで示す休業期間は、長さは問いません。1日だけ休んでも、その後30日間は解雇されませんし、1年休んでも、その後30日間は解雇されません。あくまで業務上の負傷などですので、私傷病は該当しません。

 

②産前産後の女性が法65条の規定によって休業する期間及びその後30日間

 まず、法65条の規定による休業期間ですが「産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)及び産後8週間の休業」です。その後の30日間は解雇されません。

 

ただし、上記①②で留意いただきたいのは、事実関係に基づいて労働基準法で解雇制限を明記しているのであって、反対解釈できるものではありません。つまり、①②の解雇制限が終わったから解雇できるのではなく、ポイント1に記載したとおり「客観的に合理的な理由」がなければ解雇はできません

 

例えば、詳しくは来月のブログでお伝えしますが、男女雇用機会均等法では、出産・妊娠を理由とした解雇などの不利益な取扱いを禁止しています。ここでのポイントでの内容は、あくまでも労働基準法上での明記という解釈で留めておいてください。

 

 

ポイント3 解雇制限が「解除」されるとき

ポイント2で示した解雇制限が「解除」されるときの内容です。

 

解雇制限が解除されるとき

①打切補償を支払った場合

 「打切補償」とは、労働者の療養開始後3年を経過した場合において、使用者が平均賃金の1,200日分を支払うことです。この支払いにより解雇制限が解除されます。

なお、この制限解除に該当するのは「業務上負傷」の場合のみです。

 

②天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能になった場合

 こちらは「業務上」「産前産後」ともに該当です。災害などの事由により、現在及びその先も働くことができないような状態です。ただし経営上の問題により生じたものなどは対象となりません。

ただし、この制限が解除されるには、行政官庁(労働基準監督署)の認定が必要です。

 

本日はここまでです!「解雇」については、明日も引き続きブログでお伝えいたします!

 

 

今日のポイント

客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、解雇は無効となる!