今日は「年次有給休暇」は労働基準法第39条第3項・第4項です。
パートタイマーの「年次有給休暇」は?
まず第3項を確認します
●労働基準法第39条第3項
③ 次に掲げる労働者(一週間の所定労働時間が厚生労働省令で定める時間以上の者を除く。)の有給休暇の日数については、前二項の規定にかかわらず、これらの規定による有給休暇の日数を基準とし、通常の労働者の一週間の所定労働日数として厚生労働省令で定める日数(第一号において「通常の労働者の週所定労働日数」という。)と当該労働者の一週間の所定労働日数又は一週間当たりの平均所定労働日数との比率を考慮して厚生労働省令で定める日数とする。
一 一週間の所定労働日数が通常の労働者の週所定労働日数に比し相当程度少ないものとして厚生労働省令で定める日数以下の労働者
二 週以外の期間によつて所定労働日数が定められている労働者については、一年間の所定労働日数が、前号の厚生労働省令で定める日数に一日を加えた日数を一週間の所定労働日数とする労働者の一年間の所定労働日数その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める日数以下の労働者
長い条文ですが、基本的にパートタイム労働者などの年次有給休暇の取得内容が明記されています。
一昨日また昨日の内容よりも少ない日数が付与(「比例付与」と言います)されます。条文には、その具体的な数字が明記されていません。
そこで、次の①②のいずれにも該当する労働者は「比例付与」の対象です。
①1週間の所定労働日数が4日以下(週以外の期間によって所定労働日数が定められている場合は、年間所定労働日数が216日以下)
②週所定労働時間が30時間未満
「比例付与日数」の算出方法
比例付与日数=原則的な付与日数(第39条第1項・第2項)×その者の週所定日数÷5.2 ※計算後の端数は切り捨て
(例)週3日(週労働時間21時間)で、6カ月継続勤務・出勤率8割以上の労働者の場合
10×3÷5.2=5.7・・・(端数切捨て)⇒比例付与日数は「5日」
「年次有給休暇」は時間単位で取得できるのか?
●労働基準法第39条第4項
④ 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、第一号に掲げる労働者の範囲に属する労働者が有給休暇を時間を単位として請求したときは、前三項の規定による有給休暇の日数のうち第二号に掲げる日数については、これらの規定にかかわらず、当該協定で定めるところにより時間を単位として有給休暇を与えることができる。
一 時間を単位として有給休暇を与えることができることとされる労働者の範囲
二 時間を単位として与えることができることとされる有給休暇の日数(五日以内に限る。)
三 その他厚生労働省令で定める事項
まず、年次有給休暇は1日単位で取るのが原則です(「半日単位」で与えることは自由だが、労働者が請求しても応じる義務はない)。
もし、これを「時間単位」で設定するのであれば、対象となる所定の労働者の範囲などの所定の要件を定め、労使協定を締結します(なお「半日単位」であれば、労使協定締結は不要)。
そして「時間単位」の年次有給休暇は、1年に「5労働日」を限度として設定できるということです。
「時間単位」を導入することにデメリットがあるとすれば「1日休むという習慣が根付きにくくなる」「業務によっては効率が落ちる」などあるかもしれませんが、いろいろな働き方が推進される中で「時間単位」の年次有給休暇の需要は増えているのが現状です。
厚生労働省でも、「時間単位」の年次有給休暇の導入が推奨されています(厚生労働省「年次有給休暇取得促進特別サイト」)
いろいろな働き方を受け入れることも、優秀な人材が集まる会社のPRにもつながるでしょう!
今日のポイント
「時間単位」の年次有給休暇の取得を推進していこう!