今日は、昨日「平均賃金」の内容で説明しました『休業手当』についてです。

どこまでが「休業手当」の使用者責任か?

 労働基準法第26条に明記があります。

 

●労働基準法第26条

 

(休業手当)

第二十六条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。

 

 「使用者の責任により、労働者が働くことができない場合は、使用者は平均賃金の最低6割は支払う」というものです。

 なお「休業手当」は賃金として取り扱われます。

 また、就業規則などに休日と定められている日には、使用者は「休業手当」の支払い義務はありません。

 

 ここで、ポイントとなるのは、「使用者の責めに帰すべき事由」つまり「どこまでが『休業手当』の使用者責任か?」ということです。

 

ポイント1 「不可抗力」は使用者の責任にはならない

 「不可抗力」かどうかは、次の①②の2つの要件を満たすものとされています。

①その原因が事業の外部より発生した事故であること

②事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であること

 

 具体的には、「天災事変」「計画停電」「ストライキ(ストライキに参加していない労働者が働いただけでは効果がない)」などで、これらの事由により、労働者が働くことができなくなっても「休業手当」は発生しないとされています。

 なお、親会社が経営難から、下請け会社の仕事がなくなった場合は「不可抗力」に当たらず、下請け会社は労働者に「休業手当」を支払わなければなりません。

 

ポイント2 「使用者責任」は民法よりも広く解釈

 民法での「使用者(債権者)責任」は、相当な注意義務を怠るなどの「過失責任」を原則としますが、労働基準法は、労働者を保護する必要性から、民法より「使用者責任」を広く解釈するということです。

 つまり、最大の注意を尽くしてもなお避けることができなかったような「不可抗力」ではないが、相当な注意を尽くしたとしても、使用者側に起因する経営・管理上の障害があれば、使用者は「休業手当」を支払うものとされています。

 

 「休業手当」が支払われるような状況はあまり想定したくはないですが、何が起きるかは分かりません。

 「休業手当」が「どのような時に支払われるか、どのような時に支払われないのか」を理解しておきましょう!

 

 

今日のポイント 

不可抗力でなければ「使用者責任」と解される範囲は、労働基準法は民法よりも広い。