今日からは、昨日のブログでお伝えしました「絶対的必要記載事項」に関する内容を取り上げていきます。

 まず、最初は「労働時間」に関する内容です。

 

 実は「労働時間」というテーマで、1か月間特集することも十分可能な内容です。

 専門業務・企画業務などに関する「みなし労働時間制」、繁忙時期に応じた労働時間を設定することができる「変形労働時間制」、そして昨今では「高度プロフェッショナル制度」や「副業時間の取り扱い」など、さまざまな制度や留意事項があります。

 

 しかし、今回は「就業規則~基礎編~」ですので、「労働時間」の基本的な内容を中心にお伝えします。

 前記に挙げた内容は、別の特集時にお伝えしたいと思いますので、あらかじめご了承ください。

 

「労働時間」の考え方を理解しよう!

 まず「労働時間」という言葉を捉えていきます。

 厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、「使用者には、労働時間を適正に把握する責務がある」「労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示的・黙示的な指示により労働者が業務を行う時間は労働時間に当たる」としています。

 したがって、「使用者自ら現任することで確認」「タイムカードの導入」「時間外労働をする場合にはその理由を確認」などにより、使用者が適正に労働者の労働時間を管理する必要があります。

 

労働時間の原則を確認しよう!

 法律を確認するのが分かりやすいと思いますので、労働基準法第32条第1項を確認していきます。

 

●労働基準法第32条

(労働時間)

第三十二条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。

 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

 

 まず、1週間の労働時間は40時間までということです。そして1日の労働時間は8時間までということです(変形労働時間制などの例外を除く)。

 この原則に反すれば違法となります(時間外労働を行うには、労使協定を締結する必要があります)。

 

 ここで留意事項です。「1週間」の内容ですが、一般的には暦週(日曜日から土曜日)と解釈しますが、就業規則で定めれば、どの曜日から起算した1週間でも大丈夫です。

 「1日」の内容についても、一般的な解釈は暦日(午前0時から午後12時まで)と解釈しますが、実際に夜勤により午後12時をまたぐこともありますので、その場合は2日分の労働とは捉えず「1日分」の労働として捉えます。

 

「労働時間の原則」の例外

 なお、次に示す「事業場において常時10人未満の労働者を使用する対象事業」については、『1週間の労働時間は44時間まで』、1日の労働時間は8時間までとなりますので、ご注意ください。

 

商業の事業:物品の販売等の小売業・卸売業、理美容業等

映画・演劇の事業(映画の製作の事業を除く):映画館・演劇業等

●保健衛生の事業:病院・診療所、浴場業等

●接客娯楽の事業:旅館・飲食店等

 

「法定労働時間」と「所定労働時間」の違いは?

 続いて、次の2つの労働時間について説明します。

 「法定労働時間」 労働基準法(前記)で定められている最長限度となる労働時間

 「所定労働時間」 就業規則等により定められている労働時間

 したがって、「午前9時出勤、午後5時退勤(休憩1時間)」の会社であれば、1日の法定労働時間は「8時間」、所定労働時間は「7時間」となります。

 

 ここで間違いやすい部分ですが、「時間外労働」は「『法定労働時間』である8時間を超えた労働」であり、その超えた時間分については労使協定が必要であり、その時間外労働に対して割増賃金を支払う必要があります。

 従って前記会社の場合は、「午後6時まで」働くのであれば、それは労働基準法上の「時間外労働」ではありません

 

 なぜなら、法定労働時間の8時間を超えていないからです。午後5時から午後6時までの賃金は「所定外労働」としての扱いとなり、1時間分の賃金は支払われる必要はありますが、会社によっては、割増率は上乗せされませんのでご注意ください。

 もちろん、この内容は、労働基準法が最低基準を定めているものですので、午後5時から午後6時の勤務時間に割増率を上乗せすることは何の問題もありません。

 

 今日はここまでです。働いている方も「労働時間」について、ここまで知っていただけたらと思います。

 

 

今日のポイント

「法定労働時間」と「所定労働時間」を混同せずに理解しよう!