昨日のブログでは、就業規則を原則「事業場」単位で作成することをお伝えしました。

  今日は、「就業規則を作成する時の手続き」「就業規則を変更する時の手続き」です。

 

「就業規則」の作成・変更などの流れ

 それでは、作成の流れを順を追って確認していきます。

 

1 使用者が「就業規則」を作成・変更する

 記載すべき事項を定めた就業規則を使用者が作成します。「記載すべき事項」については、後日ブログでご紹介します。

 

 

2 使用者が、労働者の過半数代表者などの意見を聴く

 使用者は、当該「事業場」に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその「労働組合」の意見、労働組合がない場合には「労働者の過半数代表者」の意見を聴かなければなりません

 

 ここは、細かくポイントを挙げていきます。

ポイント① 労働者の意見を聴く必要はあるが、効力を及ぼすものではない。

 仮に、労働者の過半数代表者などの反対意見が記載されているものであっても、あくまで「意見を聴かなければならない」に留まっており、協議などのプロセスまでは求められていません。したがって、意見を聴けばそれで足り、就業規則に効力を及ぼすものではありません

 ただし、「就業規則が効力を及ぼさない」という点において、労働者の意見を聴けば足りるというものですので、やはり労働者側との相応の協議はすべきでしょう。

 

ポイント② 労働者の過半数代表者の「意見書」が必要

 労働者側の意見を聴いたかどうかを確認する上で、労働基準官監督署長へ就業規則を提出する際に「意見書」が必要になってきます。

 

ポイント③ 一部の労働者のみ適用されるものでも、全労働者としての意見が必要

 例えば、パートタイマーなどの労働条件などを変更する場合です。その場合でもパートタイマーの過半数代表者ではなく、全労働者の過半数代表者ということです。

 

 

3 使用者が「就業規則」を労働基準監督署長へ届け出る

 所轄(事業場の所在地)の労働基準監督署長へ、労働者側の意見書とともに「就業規則」を届け出ます。なお、原則、届け出ればよく、労働基準監督署長の認可・許可などは必要ありません。作成・変更の届出が遅れることがないよう、「遅滞なく」届け出る必要があります。

 

4 労働者へ周知する

 就業規則が効力を持つには、当然、労働者が知っていなければなりません。周知は、労働基準法106条の中で「常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて、労働者に周知させなければならない」とされています。

 

 

「就業規則」の変更を余儀なくされた場合

 社会情勢などの変化により、経営が立ち行かなくなり、労働者にとって不利な形で「就業規則」を変更せざるを得ないことも十分考えられます。

 一方でその判断を使用者にすべて委ねてしまえば、変更の必要性が低いにも関わらず、労働者に不利な形で変更されてしまう恐れがあります。前記の通り、就業規則は「労働者の意見を聴く」というだけに留まっていますので。

 

 そのため、「労働契約法」に基づき、就業規則の不利益変更は原則として認められていません

 ただし、「就業規則を労働者に周知させ」「就業規則の変更が合理的なもの」である時は、就業規則の不利益変更が認められます

 

 合理的であるかどうかの判断基準ですが「労働者の受ける不利益の程度」「労働条件の変更の必要性」「変更後の就業規則の内容の相当性」などにより総合的に判断されるとされています。

 

 もし知らない間に、不利益に就業規則が変更されていたのであれば認められませんので、このことは知っておきましょう!

 

 

今日のポイント 

就業規則が変更された時、「その変更は合理的かどうか」をしっかり見極めよう!