こんにちは!

 先月より、千葉で「ごとう人事労務事務所」を開業しました、社会保険労務士の後藤と申します。

 開業と同時に、ブログ「人事労務の『今日のポイント!』」をスタートさせ、先月は「ハラスメント」について特集しました。

 

 3月のテーマは「就業規則~基礎編~」です。

 

 「就業規則」については、仕事のルールを守る上での内容が凝縮されていますので、とてもボリュームがあります。そのため、今後、複数回に分けてお伝えいたします。

 

 今回は「基礎編」と題しまして、就業規則に関する「基本」から、会社のルールの基礎となる「労働時間」「休憩」「休日・休暇」「賃金」「契約期間・解雇・退職」などが中心です。

 働いているすべての方に知っていただきたい最低限の内容を重視しましたので、ぜひご覧ください!

 

 また、事業主の方や人事労務担当者の方には、ご存じの内容も多く、少しもの足りないかもしれませんが、会社のルールを確認する上で、ご活用いただければ幸いです!

 それでは、よろしくお願いします!

 

就業規則を定める法律は「労働基準法」!

 先月もお伝えしましたが、法律の第1条は、とても大事です。そこに法律の意図が集約されているからです。

 それでは、早速、労働基準法第1条「総則(労働条件の原則)」を確認していきましょう。

 

●労働基準法第1条(労働条件の原則)

第一条 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。

 この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。

まず、第1条の最初で触れられている「人たるに値する生活」です。

 

これは何を意味するかというと、憲法第25条「生存権」の理念に基づいたものです。では、憲法第25条を確認しましょう。

 

●憲法第25条(生存権)

25 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

 

学生時代、公民の授業などで学習して、覚えていらっしゃる方も多いかもしれません。

この条文に明記している「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」を実現するには、国民が労働をして自らの生活を成り立たせる必要があります。

 

また、条文に明記されていなければ、労働者が働くことができなかったり、酷使をされてしまえば、健康で文化的な最低限度の生活が失われることもあります。

だからこそ、労働基準法の第1条で「人たるに値する生活」と明記し、以下の条文でさまざまな労働条件が定められているわけです。

 

「労働条件の基準は最低」は遵守するだけでなく、向上させる努力が必要!

 「労働基準法に明記してある、ルールに違反しなければいいんでしょ!」と解釈される方もいると思います。

 もちろん法律違反してはいけないのですが、厳密に言えば「労働基準法は最低基準を示したものであって、それを理由に労働条件を不利にしてはいけない」ということです。

 

 具体的な例を挙げますと、使用者が「うちの会社は週休2日だけど、労働基準法では週休1日と書いてあるから、明日から週休1日にしよう」とするのはダメだということです。

 使用者が「働いてもらうことが必要」、労働者側も「働いて報酬をもらいたい」という要望があり、互いに法律のルールに従った形で変更する分には構わないのですが、単に「労働基準法の基準に違反しない」という理由がいけないということです。

 

 先月のブログでも説明していますが、ここでもポイントは「努めなければならない」です。

 

 どうしても「努めなければならない」は、「しなければならない」より緩い解釈をされがちですが、法律を理解する上でとても大事な定めです。

 労働基準法は、「労働条件の最低基準を明記しているもの」という理解だけではなく、「労働条件を低下させず、向上させる努力することを明記しているもの」という理解もしっかりしておきましょう!

 

 

今日のポイント

労働基準法の労働条件に違反してはいけないのは当然だが、労働条件を向上させるための努力を続けることが大事!