再発防止策が、「組織としての責任」が見えるものになっているか?

 今日は、厚生労働省指針「職場におけるパワーハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応」の中にある最後の内容「再発防止に向けた措置を講ずること」です。

 指針では、具体的な取り組み例として、事業主に「パワハラ防止の方針・対処方針などを、社内報・パンフレット・資料などにより、広報・啓発すること」「パワハラの研修・講習を実施すること」などが明記されています。まずは指針に明記されている内容を遵守しましょう。

 私自身が大切にしていることは「再発防止策が、形式だけのものになっていないか」

   そして「再発防止策が、組織としての責任が見えるものになっているか」と考えています。

 その理由を、再発防止策の段階を踏んで説明していきます。

 

段階1 「パワハラ」の内容に応じ、労働者に事実を伝える

  前提として、被害者や必要により加害者のプライバシー保護を遵守しなければなりません。そのため、伝えることができる内容、伝えるべき内容だけを前提とします。

  ただし伝えない目的が、組織としての隠蔽する意図は避けなければなりません。

  問題がこじれたり、「パワハラ」を認めるないような組織体制につながるからです。

 

段階2 労働者に「パワハラ」をしないよう注意を促す

 具体的には、厚労省指針のとおりです。

  問題なのは、実際に「労働者への注意」で終わってしまうことです。「労働者への注意」とともに「組織としての方針」を明確にしなければ、「パワハラ」の責任を労働者へ委ねているだけになるからです。

 状況によっては、部下(パワハラ被害者となりうる側)への指導が行き過ぎて「パワハラ」になることが多いと思いますが、言い換えれば、上司(パワハラ加害者となりうる側)が組織としての役割を果たす意識が強すぎたあまりに生じたとも言えます。

  「部下を育成しろ、でもパワハラをするな」「部署として結果を残せ、でもパワハラをするな」では、上司(パワハラ加害者となりうる側)はどのように振舞っていけばよいか分からなくなります。組織としての責任を放棄しているような印象を与えかねません。

 

段階3 組織としての方針を伝える

 具体的には、組織が「パワハラを防止するために、~しなさい、または~してはいけない」ということです

   例を、私が以前記載したブログで考えたならば、「パワハラを防止するために、部下への指導は、『はっきり』と『簡潔』に『事実だけ』を伝えなさい」 「パワハラを防止するために、部下の問題に寄り添い続け、一緒に解決を目指しなさい」というようなことです。

  つまり、「ここまでは遵守しなさい。それでも、パワハラが起きたのならば、それは組織としての責任」ということを明確にするということです。

 

段階4 組織としての本気を伝える

  前記のような内容を具体的に明文化するなどです。

  労働者に対して、組織としてパワハラ防止に全力で向き合っていることを示すことにもなります。

  また、パワハラ被害者も、組織としての動きを感じ取ることで、組織にパワハラを相談したことの意義が実感できると思います。被害者が相談したからこそ、パワハラ防止の意識が組織内に浸透したことになるからです。

 

 「段階1」「段階2」までは行うことが多いと思いますが、「段階3」さらには「段階4」が大事だということです。

 「パワハラ」が起こってしまってから「組織」はどうするのか。労働者はそれに対し敏感に反応します。

 組織の「本気」が伝われば、結果的には一人ひとりの労働者のパワハラの意識が高まることにもつながっていくからです。

 

 「パワハラ防止と組織の役割」については、今日までです。明日からは「パワハラの被害にあったら」をテーマに更新していきます!

 

 

今日のポイント

「パワハラ」が起きたときは、労働者だけでなく、「組織」もまた強い当事者意識を持って、再発防止に全力を尽くすこと!