複数名でパワハラ加害者への措置を行う必要性

 今日は、厚生労働省指針「職場におけるパワーハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応」の中の「事実関係の確認ができた場合には、⾏為者に対する措置を適正に⾏うこと」です。

 その内容については、厚労省啓発資料「職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました︕」(厚生労働省ホームページ)では、次のように明記されています。

⾏為者に対する適正な措置の実施職場におけるハラスメントが生じた事実が確認できた場合には、速やかに⾏為者に対する措置を適正に⾏うこと。

(取組例)

 就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書における職場におけるハラスメントに関する規定等に基づき、⾏為者に対して必要な懲戒その他の措置を講ずること。併せて事案の内容や状況に応じ、被害者と⾏為者の間の関係改善に向けの援助、被害者と⾏為者を引き離すための配置転換、⾏為者の謝罪等の措置を講ずること。

 昨日のテーマの被害者への配慮と同じく、まずは上記の内容を遵守し、適正な措置により、加害者の猛省を促しましょう。

 そして今日のキーワードも「One Teamです。

 「今日も同じかよ!」と言われてしまいそうですが、結局、加害者への向き合い方も、複数名で関わることが大事であると考えているからです。

 それでは3つの理由を挙げていきます。

 

理由1 加害者も報酬に応じた労働をしなければならない義務がある

 パワハラをしてしまうと、本人も周りも意識してしまい、普段通りにはいかないものです。

 しかし、加害者も普段通り、仕事をしなければならないわけです。そこには毅然とした態度で臨みましょう。

 

  明確な根拠がないのであれば、「この人に仕事は任せられない」とか「本人のためにも仕事を減らした方がいいのか」とは思わないべきです。

 特別扱いはしないことです。

 

 その分、加害者の仕事のパフォーマンスが落ちれば、その尻ぬぐいをしなければならない人が出てしまうからです。

 加害者が就業規則などに基づき処分を受けているのであれば、あくまで「仕事をする」ということとは別個に扱うべきです。まずは「加害者の仕事のパフォーマンスが落ちないように管理する人」が必要です。

 

 理想的には、処分の内容も含め、「パワハラの経緯に関わっていない人」が良いでしょう。

 

理由2 状況によっては、段階的に加害者へ寄り添う必要も出てくる

 まず「加害者に対し、何らかの措置によりペナルティを与え、反省を促し、再発させないようにする」というのが何よりの大前提です。

 しかし、「パワハラをなぜしたのか?」ということによりますが、それでも再発してしまうことがあります。本人に悪意がないのであれば、行動特性・病気などの理由も考えられます。

 

 その原因がわからなければ改善できませんし、その改善できる方法を見出すために、加害者に寄り添う必要も出てくるということです。

 

 その役割を担うのは「専門的な視点を持った方」、さらに言えば「外部の専門家」が良いでしょう。具体的には、産業医・カウンセラー・社労士・社会福祉士などです。

 また、一番つらい思いをしているのはパワハラの被害者ですので、被害者の気持ちに配慮する上でも、組織の立場から離れた外部の人間が良いということも言えます。

 

理由3 加害者と一緒に働く人たちの気持ちにも寄り添う必要がある

 パワハラの被害者と同じくらい大切にしてあげなければいけないのは、「結果として、加害者と一緒に働くことになった方たち」です。

 一般的な措置としては、加害者と被害者を離すという措置が想定されますので、加害者が別の職場に移る可能性が高くなります。パワハラの内容にもよりますが、「加害者と一緒に働くことになれば、パワハラを受けるリスクが高くなる」と考えるのが普通でしょう。

 

 その際に「組織として、加害者と一緒に働くことになった労働者を見守る人」が必要です。

 

 それは、組織の中でも地位が高い方が関わるべきだと思います。

 地位が高い方が関わることで「組織として見守っている」ということに説得力が出てくるからです。何気ない声かけ、時折近況を聴いてみるだけでも、何もしないよりはまったく違うと思います。

 

 被害者への配慮にも言えることですが、 One Team」で大事なのは、互いが互いの役割を理解することです。

 そして、そこで生まれた課題や成果を共有することです。委員会の設置などにより、経過が見える場面も組織としてつくる必要もあると思います。

 

 

今日のポイント

 加害者へ懲戒その他の措置を行うことは当然だが、「加害者の状況に向き合うこと」も再発防止につながることを意識しよう!