複数名でパワハラ被害者への配慮を行う必要性

 今日は、厚生労働省指針「職場におけるパワーハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応」の中の「事実関係の確認ができた場合には、速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に⾏うこと」です。

 まず、その内容について、厚労省の啓発資料「職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました︕ 」(厚生労働省ホームページ)では、次のように明記されています。

職場におけるハラスメントが生じた事実が確認できた場合においては、速やかに被害者に対する配慮の措置を適正に⾏うこと。

(取組例)

■ 事案の内容や状況に応じ、以下の対応を⾏うこと。

(パワーハラスメント、セクシュアルハラスメントの被害者への対応を⾏う場合) 事案の内容や状況に応じ、被害者と⾏為者の間の関係改善に向けての援助、被害者と⾏為者を引き離すための配置転換、⾏為者の謝罪、被害者の労働条件上の不利益の回復、管理監督者⼜は事業場内産業保健スタッフ等による被害者のメンタルへルス不調への相談対応等の措置を講ずること。

 まずは、上記の内容を遵守しましょう。

 そして今日のキーワードは「One Teamです。

   昨日のブログでも書かせていただきましたが、複数名で被害者への配慮を行うということです。

   複数名で対応することがなぜ必要なのか?3つの理由を挙げてみました。

 

理由1 被害者が更なる解決を求めた時のフォロー

  事実関係の結果、加害者への処分などについて、被害者が納得できないケースもあると思います。組織としては、加害者の状況にも十分配慮しなければならないのですから。

  事実関係に関わらず、組織として、外部機関での紛争解決の手段があることを被害者へ明示しなければなりません。まずこれが大前提です。

 

  しかし、被害者が外部機関(「外部機関」については、後日、ブログでご紹介します)へ相談するというのも、内部の窓口に相談する以上に「勇気」がいるものです。

 被害者が外部機関へ依頼したいと考えたときは、パワハラの被害とともに組織の解決方法にも不満があることが多いので、そのことを組織へ相談することは難しくなります。

  そうした時に、組織内に被害者の悩みに寄り添える存在が必要だと考えます。

 

 組織が外部機関へ依頼することの丁寧なお膳立てまでする必要はないと思いますが、誰かに話すことで被害者のモヤモヤが解消できることもあると思いますし、被害者がモヤモヤを抱えたまま仕事としてのパフォーマンスが上がらないのであれば、むしろ外部機関に解決を委ねてしまった方が双方にとってスッキリするなどのことも考えられるからです。

 

 そして、その相談を受ける相手は、「事実関係の確認に携わらなった人」が望ましいかもしれません。

 

理由2 部署内におけるフォロー

 何度もお伝えしていますが、被害者がパワハラ解決に向け行動を起こすしたことは、とても「勇気」がある行動であります。

  同僚は、パワハラ被害を組織へ相談した「勇気」を称賛しましょう。

 もちろん内容によっては、あまり触れるべきではないこともあると思いますので、言葉掛けをしなくても、一人ひとりが「働きやすい環境」がつくれるよう努めていきましょう。

 それが最大の称賛になると思います。

  つまり「職場の同僚」もまた「One Team」の一員です。

 

理由3 新たな問題に発展しないためのフォロー

 前記の理由と真逆になりますが、もしパワハラが加害者・被害者だけの問題だけだったとしたら、他の同僚にとって、その解決が良い方向であるとは限りません。

  「加害者の上司はとてもいい人だった」「被害者にも大きな問題があった」と思う人がいるような場合です。その場合に被害者にとって、より過酷な状況が起こることもあり得るということです。

 

  必要なのは組織として「一件落着」ではなく、「油断大敵」と気を引き締めることです。

 

  そのような場合には、「少し距離を置いて、見守ることができる人」が必要です。

 一番良いと思う方法は、部署内に俯瞰的に判断できる人材がいれば、組織としてその人に見守りをお願いすることです。

 併せて、部署外においても、被害者の現況を適宜確認できる人材を置く必要もあります。

 

 大事なことは、特定の人だけに、被害者のすべてのフォローを任せないということです。

 たくさんの人が、無理なく、被害者への配慮ができる体制を心掛けましょう!

 

 

今日のポイント

  一人ひとりの役割が違うからこそ、「パワハラの被害者」をあらゆる視点から支えることができる。