自らの短所に向き合うことで、「パワハラをしない」思考段階を身につけよう!
今日からは「指導」と「解決」のうち『解決』についてです。部下が問題を解決するにあたり、どのように寄り添えば良いのかということです。
いきなりですが、私が実践しているパワハラをしない「思考段階」は次の4段階です。
1 問題と考えられる原因を列挙する
2 列挙した内容に仮説を立てる
3 必要だと思う仮説から実践し、部下へ寄り添う
4 結果を検証する
これだけだと何かとても堅い話になっていますね・・・なので、これから具体例を挙げ説明します!
まず、この内容を理解いただくために、ご紹介するのは、「自らの短所」に焦点を当て実践することです。いきなり相手に慣れないことをするのは難しいですし、「自らの短所」を題材にすることで理解が深まると考えているからです。
そのため、今日のブログは「パワハラ」の要素は少なく、自らの体験談中心になってしまいますが・・・お付き合いください!
「自らの短所」は何でも構いません!ここでは、私の短所である「字が汚い」を取り上げますね!
ちなみに昨日のブログを読んでいただいた方は、「字が汚い」という表現より「字が読みにくい」「字を読むことが難しい」という表現の方が適切だとお気づきかもしれません。さらに言えば「字が読みやすければ完璧!」などの表現ができれば、もっと良いかもしれません。
「汚い」という表現はリスクが高いと思います。なぜなら主観が潜んでいる言葉だからです。「汚い」と聞いて、イメージする内容・程度などは人それぞれだからです。
しかし、ここでは私自身のことであり、この後の話の展開上「汚い」とさせていただいてますので、あらかじめご了承ください。
段階1 問題と考えられる原因を列挙する
あまり深く考えずに、「ほとんど関係がないかも」ということも含めてたくさん列挙してください。ここでは、私が「字が汚い」という理由です。
私が「字が汚い」理由
・字を上手く書くための技術がない
・字を上手く書こうとする意識が低い
・ボールペンとの相性が悪い
・相手に対する配慮が足りない
・心が乱れている
・だらしない
・イライラしやすい
・人に見られると緊張してしまう
・頭の回転が速い
・数学が得意
・多くの仕事をにこなせる
これぐらいでしょうか?
ポイントとしては、「自分の気持ちが許せる範囲で凹んだ気持ちを持ってもらうこと(笑)」と「ある程度の肯定的理由を考えること」です。
段階2 列挙した内容に仮説を立てる
原因に対する改善方法の仮説を立ててください。ここでは「字が汚い」ことを改善するための方法を考えることです
全部を挙げると長くなるので、省略しますが、例えば・・
私が「字が汚い」理由に対し、解決するための仮説
・字を上手く書くための技術がない → ボールペン字の通信講座を申込む
・字を上手く書こうとする意識が低い → 上手い字に、触れてみる
・ボールペンとの相性が悪い → 最適のボールペンを探してみる
これぐらいにしておきます。ポイントは、あまり深く考えずに、直感を大事にしてください。
段階3 必要だと思う仮説から実践する
実践できることからやってみましょう!難しい場合は実践を見送りましょう(なお、ここでは「部下へ寄り添う」は、自らのことなので省略します)。
私が「字が汚い」ことを解決するため、仮説に対する実践
・字を上手く書くための技術がない → ボールペン字の通信講座を申込む → (当時)社労士の合格を目指すことを優先 ⇒ 見送り
・字を上手く書こうとする意識が低い → 上手い字に、触れてみる → 博物館へ行ってみる
・ボールペンとの相性が悪い → 最適のボールペンを探してみる → 文房具屋で探してみる
こんな感じです。ポイントは「楽しむ感覚」を持つことです!
段階4 結果を検証する
私が「字が汚い」ことを解決するため、実践したことへの検証
・字を上手く書こうとする意識が低い → 博物館へ行ってみる
博物館などに行って、上手い字を見て、とても感動したのですが・・効果はなかったです・・・
・ボールペンとの相性が悪い → 文房具屋で探してみる
これは効果ありでした!力を抜いて握れるようなボールペンだと、明らかに丁寧な字を書くことができました。それでも、まだ汚い字ですが・・
例に挙げたものについては、このような感じです。
そして私にとって特に効果があったのは次の2つです。
(理由1)イライラしやすい→(実践)イライラしない環境
これは、私が社労士試験を合格した後に、労働保険手続きなどの実務経験がない合格者は、所定の研修を受けなければならないのですが、その経験の話です。
その研修は課題を提出しなければなりませんが、私の課題に対する講評として「字も読みやすく、よく調べて作成しているのがわかりました。すばらしかったです。」というものでした(\(^_^)/。
確かに、勝手に読みやすい字が書けていたのです!
なぜだろう?と考えると、「イライラしていなかったから」です。
仕事に追われるでもなく、何かにストレスを感じているわけでもなく、ただ初めてのことを一つひとつ淡々と丁寧にこなしていたら、結果的に読みやすい字が書けていたという感覚です。
(理由2)人に見られると緊張してしまう→(実践)人目につかない環境
そして、社労士研修の経験をもとに、読みやすい字が書けるときの一つ傾向が見つかりました!
それは「一人でいるとき」です。
そして、さらに考えてみると「自分の緊張は『手』に出ることがわかりました」。
手汗でびっしょりになることも多々あります。実際、子どものころに「美術」「技術家庭」などの成績は最低で、技能科目で唯一良かったのは歌の上手さだけを評価された「音楽」の成績だけでした。
つまり、人に見られると分かってしまうと『手』に力が入りすぎてしまうのです。そして、実際に人目がない環境で字を書くと、読みやすい字が書けるのです。
「自らの短所に、トコトン向かい合う」ことの効果
このような感じです。「パワハラと何が関係があるんだ!」と言われてしまうかもしれません・・・。
しかし、この4つの思考段階を習慣づけることが、私がおすすめしたいことです。そして、習慣づけるための対象は自分自身が一番身近だということです。
そして、そもそも実際に私が「字が汚い」という短所を克服できていたのかということですが・・・「克服できていません」。
正確に言えば「条件付きであれば克服できた」と言えます。結局、忙しい時に字を書くと「字は汚い」ままです。
ただし、大事なことは、字の汚い原因が「イライラする」「人に見られると緊張する」と分かったことです。
なぜなら「イライラする」「人に見られると緊張する」は、私に限ったことではないからです。
例えば、明らかにイライラしているのが、顔に出ている人がいれば「すぐ顔に出すなよ・・」と内心思っていましたが、単純に「イライラが『顔』に出るか、『字』に出るか、ただそれだけの違い」と思えるようになりました。また緊張して人前で話すのが苦手な人を見ると「緊張が『話』に出るか、『字』に出るか、ただそれだけの違い」と思えるようになりました(もちろん「字が汚い」ことは少しでも克服しなければいけませんが)。
「短所」は良いことも多い!?
それに、短所って実は良いことも多いですよね!
私は、字が『綺麗』と言われることはありません。頑張っても、字が『読みやすい』としか言われません。『綺麗』な字は、それだけで見る人を心地よい感情にさせますが、私にはそれができません。
しかし「汚い」字を丁寧に書くと、『読みやすい』字につながり、上手くないかわりに「丁寧さ」に焦点が当たるので、「相手に気持ちを伝えたい時」などはとても効果的です。
「長所」はたくさんの人を幸せにすることに効果的ですが、「努力」のプロセスが伝わらないことが多い、むしろ「努力」のプロセスを見せないことで、効果を発揮するものだと思っています。
一方で「短所」は、「努力」により改善するプロセスが見えやすいので、「短所」は特定の人を幸せにすることに効果的だと思っています。
自らの短所を受け入れると、相手の短所もまた肯定的に捉えることができる。それは、パワハラをしてしまうリスクを軽減する上で、とても大事なことだと思います。
明日は、今日お示しした4つの思考段階を「指導」「解決」の場面に落とし込んでいきます!
今日のポイント
短所には、その人の『本質』が隠されている!ぜひ向き合ってみよう!